講演情報
[09方-ポ-47]ボール回転解析と外的負荷を指標としたソフトボール投手のパフォーマンス分析
*柳田 信也1、三谷 舜2 (1. 東京理科大学、2. 中京大学)
ソフトボールはゲーム構造的に試合の展開や結果に対する投手の寄与率が高い。そのため、投手のトレーニングや育成はソフトボールコーチングにおける主要な課題である。一方で、ソフトボール投手のパフォーマンス評価方法は、球速(初速)以外に有用なものが少ない。そこで、本研究では、ボール回転解析と外的負荷の測定を行い、これらのデータの観点から一流選手の特徴を明らかにすることで、ソフトボール投手のパフォーマンス評価に有用な指標の確立を目指した。対象は男子ソフトボール選手(日本代表・日本リーグ・大学生)とした。測定項目は、ボール内蔵型加速度計を用いたボールの回転数・回転軸、ウェアラブルデバイスによる身体加速度及び心拍数、インソール内蔵型足底圧およびVASを用いた投球の質の主観的評価とした。各投手は試合を想定したウォーミングアップ後に、20球の全力投球を実施した。球種は測定者が投球開始前にランダムで提示した。ボール回転解析の結果、日本リーグ所属選手と大学生の比較において、平均球速・回転数においてすべての球種で有意な差が認められ、日本リーグ所属選手の方が高い値を示した。また、回転軸においても特徴が異なる結果が得られた。身体加速度と平均球速の相関を分析したところ、身体加速度と平均球速の間には有意な正の相関が認められた。一方で、身体加速度とボール回転数には負の相関を示す球種が複数みられた。興味深いことに、VASによる主観的な球種の評価とボール回転解析の結果には関連性が認められなかった。本研究のこれらの結果から、ボール回転解析や外的負荷の測定値は投手のパフォーマンス解析として有益な指標となることが示唆される。
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