講演情報
[09方-ポ-59]15人制ラグビーにおける防御戦術に関する研究レベル別の比較を通しての検討
*廣瀬 恒平1、髙橋 仁大2 (1. 鹿屋体育大学 大学体育スポーツ高度化共同専攻、2. 鹿屋体育大学 スポーツ・武道実践科学系)
ラグビーワールドカップ2019年大会および2023年大会において、南アフリカ代表が優勝を果たした。多くの識者が優勝した要因に防御を挙げ、多くのチームが素早く前に出る防御を洗練させたと指摘されている。このように近年高度な発達を見せるラグビーの防御局面に着目し、ワールドカップにおけるレベル別のゲームパフォーマンスの比較を通して、15人制ラグビーにおける有効な防御戦術について検討することを本研究の目的とした。今回はタックルの高さ、タックルアシストの有無、ゲインラインを基準としたタックル発生位置に焦点を当て、プレー成功要因との関連性を調査した。分析の結果、ボール保持者の上体へのタックル比率において、上位チームが下位チームに比べて有意に高い値を示し、成功率は両レベルとも上体へのタックルが下体と比べて有意に高い値を示した。ボール保持者に対して複数でタックルしたタックルアシスト比率においては、レベル間に有意な差は認められなかったが、成功率は両レベルともアシストが有った場合が無かった場合と比べて有意に高い値を示し、アシストが有った場合の成功率においては、上位チームが下位チームに比べて有意に高い値を示した。ゲインラインよりも攻撃側陣地(前方)でタックルを発生させた比率において、上位チームが下位チームに比べて有意に高い値を示し、成功率は両レベルともゲインライン前方でのタックルが後方と比べて有意に高い値を示した。また、ゲインライン前方での成功率は上位チームが下位チームに比べて有意に高い値を示したのに対し、後方における成功率は上位チームが下位チームに比べて有意に低い値を示した。以上を含め、これまでのラグビーのコーチング理論を補強するデータや相反するデータなど、興味深い結果が得られた。詳細については、学会大会にて報告する。
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