講演情報
[05バ-ポ-03]男子ソフトボール選手の球速に応じた打撃動作の特徴
*田邉 凱聖1、畑島 一翔1、近松 俊弥1、秋葉 茂季1、田中 重陽1 (1. 国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科)
野球やソフトボールの打者は、投手が投じる様々な球種や球速に対応しなければならない。野球の打撃動作の研究では、踏出し脚接地のタイミングによって異なる球速に対応していることが明らかにされている。しかし、ソフトボールの打撃動作を検討する研究は見当たらない。本研究では、ソフトボール選手の球速の異なるボールに対する打撃動作の特徴を捉えることを目的とした。被験者は大学生男子ソフトボール選手12名とした。打者には球速が不明な状況でストレート(ST)、チェンジアップ(CH)をランダムに打撃させ、1試技ごとに打撃に対する内省評価を行わせた。STとCHの打撃で、センター方向への打球の内省評価が高い試技を分析対象とした。打撃動作及びスイングスピードの測定は、三次元モーションキャプチャシステム(Xsens)、高速度カメラ、スイングスピード計測器を用いて実施した。分析項目は、スイングスピード、上胴(胸椎)回旋角度、下胴(骨盤)回旋角度、投手方向への重心の変位とした。分析局面は、踏込み脚離地、テイクバック最大(TBM)、投手リリース(RLC)、踏込み脚つま先接地(TC)、踏込み脚踵接地(HC)、インパクト(IMP)と定義した。各局面の打撃動作時間は、HCとIMPの局面で有意な差が認められた。一方、STとCH打撃時のスイングスピードは有意な差が認められなかった。TBMからIMPにかけての上胴・下胴回旋角度の変化は、CHよりSTの方が大きく、上胴はHC局面で、下胴はTCとHCのそれぞれの局面で有意な差が認められた。投手方向への重心移動距離は、TBMからIMPにかけてSTよりもCHが大きく、特にHCからIMPの局面にかけてはその差が顕著であった。これらの結果から、ソフトボール選手の打撃動作はTCからIMP局面にかけて、上胴、下胴回旋及び重心の変位を調整することで、異なる球速に対応している可能性が示唆された。
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