講演情報

[05バ-ポ-09]テニスのサーブにおけるターゲットの位置の違いがパフォーマンスに及ぼす影響

*新井 貴也1、山田 洋2、小澤 悠3、古屋 良祐3 (1. 東海大学大学院 体育学研究科、2. 東海大学 体育学部、3. 東海大学 スポーツ医科学研究所)
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テニスのサーブは試合に勝つために重要なショットである。サーブは狙った場所へ入れることが重要であり、それを達成するためには様々な指導が存在する。特に代表的なものが、ネットの上(通過地点)を狙わせる場合とボールの落下点を狙わせる場合である。これらの指導方法はどちらも現場で用いられるが、ボールの落下点を狙わせる指導の方が難しく上級者の指導で多くみられる。しかし、これらの狙わせる場所の違いが打球速度や動作に与える影響は明らかになっていない。
 そこで、本研究はターゲットの見せ方を変えることでテニスのサーブの動作にどのような違いが現れるのかを明らかにし、上級者の指導の一助とすることを目的とした。
 対象者は男子テニス部に所属する大学生4名(身長173.8±4.8cm、体重65.0±6.8㎏、年齢20.3±1.0歳、テニス歴10.3±3.1年)とした。実験は室内で行われた。被験者は自身から11.8m離れたネットを越してサーブを打つように指示された。被験者は、ネットのすぐ後方に設置された半径9cmの的を狙う試技(垂直的当て試技)と、ネットの後方6.4mに設置された同様の大きさの的を狙う試技(水平的当て試技)を行った。スピードガン(BSG-1、ユピテル社製)を用いて球速を計測し、光学式三次元モーションキャプチャシステム(Mac3D System、Motion Analysis社製)を用いて試技を記録した。また動作解析システム(Frame-DIAS6、DKH社製)を用いてインパクト高および関節角度を算出した。
 サーブ速度、インパクト高、インパクト時の肩・肘・手関節角度は垂直的当て試技と水平的当て試技で差は見られなかった。すなわち、熟練者においては狙う的の位置の違いがパフォーマンスに及ぼす影響は少ない可能性がある。そのため、上級者においてもネットの上を狙わせるサーブの指導は有効だと言える。

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