講演情報

[05バ-ポ-13]多感覚フィードバック練習(視覚・聴覚)による動的バランスの学習効果検討

*菅野 有紗1 (1. 新潟大学)
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姿勢バランスとは質量中心を適切にコントロールする能力を指し、姿勢を任意の状態に保つ際や不安定な姿勢から正常な状態に戻す際に用いられる。その中でも動的バランスは運動状況下において重要な身体制御能力の要素となり、転倒を防止する役割を果たすほか、立つ・歩く等の生活に直結する動作の根幹となる。その特性から主に高齢者の身体制御に焦点を当てられることが多いが、若年層においてもスポーツ選手等は身体コントロール能力を向上させることが競技力の向上に繋がるため、バランス能力の改善を目的とした練習を行うことがある。主に採用されている練習方法に視覚や聴覚等の刺激を用いた感覚フィードバック(FB)練習があり、これは感覚刺激の種類により学習効果に異なる影響を及ぼすことが明らかになっている。両手の協調運動を用いた先行研究は、視覚FB練習では視覚刺激に対する依存が増加し長期的な学習効果が減衰する一方で、聴覚FBを用いた練習では聴覚刺激に対する依存が徐々に減少しFBのない条件下での学習効果が高まることを示している。また、視覚FB練習と聴覚FB練習の学習効果比較では視覚FBの利用により早期に動作パフォーマンスの向上が得られることが報告されており、これらの背景から視覚刺激と聴覚刺激を組み合わせた多感覚FB練習では両特性を持ち合わせ早期から持続的に動作の学習効果が表れる可能性が示唆されている。そこで、本研究では視覚FB練習、聴覚FB練習、多感覚FB練習を用いた学習効果を比較することで、動的バランス制御課題においてより学習効果の高い感覚FB練習方法を検討する。研究対象者は18~24歳の健常若年者とし、視覚刺激をFBに用いる視覚群、聴覚刺激をFBに用いる聴覚群、視覚刺激と聴覚刺激の両方をFBに用いる多感覚群の三群に無作為に割り当てた。実験ではフォースプレートを用いて研究対象者の足圧中心点を算出し、指標として用いる。

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