講演情報

[05バ-ポ-14]スラックライン上における片足立位時の重心動揺と立位保持時間の関係

*小澤 悠1、清水 幹弥1,2、児玉 謙太郎3、山田 洋1,4 (1. 東海大学スポーツ医科学研究所、2. 東海大学大学院体育学研究科、3. 東京都立大学大学教育センター、4. 東海大学体育学部体育学科)
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スラックライン(Slackline) とは二点間に張り渡した専用ラインの上で楽しむスポーツであり、独特な姿勢制御能力が求められる。このような特徴を活かし平衡感覚を養うためのトレーニングツールとしても用いられているが、Slackline上での姿勢制御法については明らかになっていない。そこで、本研究ではSlackline上での片足立位時の重心動揺に着目し、Slackline上での姿勢制御法について明らかにすることを目的とした。
 被験者はスラックラインに乗った経験のない男女11名とした。試技はSlackline上で片足立位を行わせ、その際の身体各部位44点に貼付した反射マーカーの位置座標を3次元光学式モーションキャプチャシステム(Mac3D System, Motion Analysis社)を用いて計測した。試技を行う際、被験者には「できるだけ長時間Slackline上で立位姿勢を保持できるように」と教示した。各被験者の最も長く立位姿勢を保持できた試技を分析対象試技とし、立位姿勢を保持できている間の身体合成重心位置(COM)を動作解析ソフトウェア(Visual3D, C-Motion社)を用いて算出した。
 立位保持時間は最も短い被験者で17.6s、最も長い被験者で186.1sだった。立位保持時間と立位中におけるCOMの最大速度の関係性を検討したところ、有意な負の相関関係が認められた。さらに、立位保持時間と矢状軸方向の重心移動距離の関係性については有意な正の相関関係が見られた。この結果から、Slackline上での立位においては矢状軸方向への重心動揺は避けることができず、ある程度の左右への重心の揺らぎは見られるが、左右へ重心が動揺した際に、急激に重心位置を戻そうとせず、ゆっくりと重心位置を戻すことで安定した立位保持が行えることが示唆された。

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