講演情報

[05バ-ポ-16]体操競技特有な運動におけるIMU式モーションキャプチャの精度検証

*清水 幹弥1,2、小澤 悠2、小河原 慶太3、原 結実香1、内山 秀一3、山田 洋3 (1. 東海大学体育学研究科、2. 東海大学スポーツ医科学研究所、3. 東海大学体育学部)
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現在、動作解析で一般的に使用されているのは光学式カメラを用いたモーションキャプチャシステムであるが、近年IMUセンサ(慣性センサ)を用いたモーションキャプチャシステムが実装されつつある。IMU式モーションキャプチャは従来の光学式モーションキャプチャとは異なり、カメラ台数などにより撮影範囲を制限されない特徴を持っている。IMU式モーションキャプチャについては、歩行や走行、跳躍動作における精度検証が行われており、これらの運動においては光学式モーションキャプチャと比較しても相応な精度での計測が可能であることが明らかになっている(Nijmeijer et al., 2023)。しかし、体を捻る、回転させる、といった体操競技特有な運動においては、動作中の衝撃が大きく、その計測精度は明らかになっていない。
 本研究では後方宙返りを対象試技としてIMU式モーションキャプチャシステムの精度検証を行い、IMU式モーションキャプチャシステムの汎用性について明らかにすることを目的とした。被験者1名の試技を光学式モーションキャプチャシステム(Mac3D System, Motion Analysis社)とIMU式モーションキャプチャシステム(Xsens-MVN, Movella社)で記録した。動作解析ソフトウェア(Visual3D, C-Motion社)を用いて重心鉛直方向変位(m)を算出した。各時点のIMU式モーションキャプチャのデータを目的変数、光学式モーションキャプチャのデータを説明変数として回帰分析を行った結果、y = 1.04x - 0.07の回帰式が得られた(R² = 0.99, p < 0.001)。 また時系列データ全体の二乗平均平方根誤差は0.03(m)であり、後方宙返りのような衝撃が大きい動きにおいても両システムから算出した重心鉛直方向変位の誤差は小さいことが明らかとなった。

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