講演情報

[09方-ポ-54]バスケットボールにおけるファストブレイク攻撃時の準備局面に関する実践的知識ガードプレイヤーに着目して

*城間 修平1、伊佐野 龍司1 (1. 日本大学文理学部)
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バスケットボールにおけるファストブレイク攻撃とは、チームがボールを保持した後、速い展開でアウトナンバーの状態を組織的に構築し、バスケットへボールを投げ入れることを目標とするものである(小谷、2015)。ファストブレイク攻撃に関するガードプレイヤーの実践的知識の研究(城間・伊佐野、2019)が提出されているが、それらを下敷きに類化された知を提出するのであれば、さらなる蓄積が求められる。そこで本研究の目的は、バスケットボールのゲーム中に出現する、合理的且つ効率的なファストブレイク攻撃を行う際のガードプレイヤーの準備局面における実践的な知識について、「Narrative Based Approach.:NBA)」を考察視座としながら、当該プレイヤーが如何なる「語り」から検証することである。本研究の検証対象であるガードプレイヤーのAは、大学バスケットボール連盟におけるタイトルおよび、日本代表経験を有するトップレベルに位置すると共に、自らの運動感覚的な内容を語ることのできる言語発表能力も有していた。Aが最も印象に残る試合の中から、ファストブレイク攻撃において「あとはパスするだけ」と「語る」情況を抽出し、検討した。「先走り」する味方にパスするまでにAは「2対1の状況を作りたかったけど、距離的に相手が後ろから追いつきそう」だと判断をし、「味方を囮にしながら自分自身がシュートにいくと仕向けて、後はパスを出すだけ」また、「ディフェンスはある程度予測していると思うので、その裏を描くような、素早いパスや山なりのパスを出すだけ」といったことを実行していた。このようにガードプレイヤーAは、ファストブレイク攻撃を成功へ導くために、相手の意識を囮に向けるまで情況(空間的・時間的)を意図的に操作するなどの段取りを準備していた。

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