講演情報

[07発-ポ-02]児童における遊び・運動経験と筋力発揮調整能の関連性力を入れる・抜く局面に着目して

*小板橋 京汰1、村瀬 杏2、河村 剛光3、岡本 武志4 (1. 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科、2. 東海大学大学院健康学研究科、3. 順天堂大学スポーツ健康科学部、4. 東海大学健康学部)
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【目的】本研究では、児童の筋力発揮調整能において、力を入れながら調整する局面(漸増局面)と抜きながら調整する局面(漸減局面)に着目し、それらと遊び・運動経験との関連性について明らかにすることを目的とした。【方法】被験者は総合型地域スポーツクラブに通う男子児童23名(9.2±1.0歳)を対象とした。測定は、画面上に映し出される相対的要求値(5%~25%)を0.1Hzで変動する正弦波で表示し、相対的要求値との差異が最小になるように握力発揮をおこなった。試行回数は3回であり、各試行時間は45秒とした。評価は、開始5秒間のデータを除外した要求値と発揮値の誤差を絶対値化し漸増・漸減局面それぞれの誤差総和(%)を算出した。2試行目と3試行目のうち、最も少ない誤差総和(%)を採用した。運動経験はスポーツクラブでの活動を、実施時間(分)×実施頻度(回/週)×実施年数(月)×4.35として運動経験量を算出し、遊び経験は遊び頻度(週)と遊び経験数(個)を調査した。漸増と漸減局面の誤差総和を比較するため、Wilcoxonの符号順位和検定を行った。遊び・運動経験と両局面ごとの筋力発揮調整能の関連性を検討するため、従属変数をそれぞれの局面の誤差総和(%)、説明変数を年齢・最大筋力と運動経験量、遊び頻度、遊び経験数として強制投入法による重回帰分析を行った。【結果】漸増と漸減局面の誤差総和を比較した結果、漸減局面は漸増局面より、有意に誤差総和が大きいことが確認された。漸増局面の誤差総和と運動経験量、遊び頻度及び経験数に有意な関連性はみられなかった。漸減局面の誤差総和と運動経験量、遊び頻度に有意な関連性はみられなかったが、遊び経験数と有意な関連性がみられた。【まとめ】筋力発揮を抜きながら調整することは、難しいという特性が示され、多くの遊びの数の経験は力を抜きながらの調整能を改善する可能性が示唆された。

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