講演情報

[07発-ポ-05]単元を通じた身体活動量の推移ボール運動系領域を対象とした性差の検討

*篠原 俊明1、長野 康平2、堀内 亮輔3 (1. 共栄大学、2. 比治山大学短期大学部、3. 東京女子体育短期大学)
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【背景】児童期においては、心身の健康の観点から少なくとも中高強度身体活動(MVPA)を1日60分以上確保することが推奨され、全児童が参加する小学校体育は、身体活動量の確保において重要である。一方、我が国の体育授業の身体活動量に関する先行研究では、1回の体育授業を対象にしているものが多く、単元を通じた身体活動量の推移を低・中・高学年毎に捉えた研究や、性差について報告した研究はほとんどない。単元を通じた身体活動量の情報は、児童の身体活動量の確保を考えるうえで重要な情報になる。【目的】本研究は身体活動量が多いとされるボール運動系領域における単元を通じた身体活動量の推移を捉えるとともに、より詳細に実態を把握するために、性差についても検討することを目的とした。【方法】東京都内の公立小学校に在籍する児童293名(1年生:98名、3年生:103名、6年生:92名)を対象とした。6時間から成るボール運動系領域の単元を各学年で実施し、3軸加速度計を用いて、体育授業中の身体活動量(SB、LPA、MPA、VPA、MVPA)を測定した。単元全体および各時限における性差の検討のためにt検定を実施した。【結果】MVPAの単元平均は、低学年は14.7±2.8分、中学年は10.0±3.1分、高学年は15.7±3.4分であった。性差については、単元全体のMVPAは学年に関わらず男子が高い値を示した。各時限をみると、低・中学年は部分的に性差が確認され、高学年は全ての時限で男子のMVPAが有意に長かった。【結論】学年に関わらず、ボール運動系領域の授業において、児童は10分以上のMVPAを確保しており、そこには男子優位の性差が存在することが明らかとなった。今後は、体育授業場面別に身体活動量を捉え性差を検討することや、他の運動領域における身体活動量の単元の推移を把握していくことを考えている。

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