講演情報

[07発-ポ-09]時間帯別にみた小学生の身体活動状況と体力値との関連

*冨樫 健二1 (1. 三重大学教育学部 保健体育講座)
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【背景・目的】
 子どもの身体活動量に関わる研究は、加速度計付き歩数計の普及により1日を評価した検討は多いものの、活動時間帯を区切って検討している報告は少ない。本研究では、学校内の休み時間に着目し、加速度計付歩数計で評価した各活動時間帯における身体活動状況について、ならびに休み時間の身体活動状況と体力値との関連について検討することを目的とした。
【方法】
 対象は小学4~6年生198名(男子100名、女子98名)とした。身体活動状況調査(ライフコーダを使用、以下LC)、体組成測定、骨密度測定、活動内容調査、新体力テストを実施した。LCに記録される各活動強度を「非活動」「低強度活動」「中強度活動」「高強度活動」とし、それらの合計時間を算出した。学校内での時間帯区分は「朝休み」「中休み」「昼休み」に分類した。活動内容調査は、児童と担任を対象に行った。
【結果・考察】
 「休み時間」において男子の中高強度活動時間は5年生、6年生が4年生よりも有意に短かった(P<0.05)。活動内容調査の結果は、4年生は「鬼ごっこ」に参加する児童が多く、5年生では「遊具遊び」、6年生では「ボール遊び」を行う児童の割合が多かった。学年が上がるにつれてルールの明確な鬼ごっこから、複雑なボール遊びへ移行し、それが身体活動状況へ反映していると考えられるた。女子の非活動時間は5年生、6年生が4年生に比べて有意に長く、低強度活動時間、中高強度活動時間は5年生、6年生が4年生よりも有意に短かった(P<0.05)。4年生では「外遊び」を行う児童が多く、5年生、6年生は、「室内活動」で過ごす児童の割合が多かったことによると考えられた。「休み時間」の身体活動状況と体力値の関係では、男女ともに「休み時間」の身体活動量と体力値のいくつかのに関連がみられた。男子では、中高強度活動時間が長い児童の体力値や除脂肪率、骨密度が高かった。

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