講演情報

[07発-ポ-15]福岡県KDBシステム・データのレセプト分析に基づく子どもの疾病の特徴福岡市・北九州市および筑豊地域の比較から

*池田 孝博1,2、中原 雄一1 (1. 福岡県立大学、2. 鹿屋体育大学連携大学院)
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近年、国民健康保険団体連合会の保険者情報(KDBシステム)を活用した研究が行われているが、その多くは主に高齢者を対象としており、子どもの研究はあまり見られない。本研究では、福岡市、北九州市および筑豊地域の国保加入者を対象に、令和4年度の疾病別医療費(大分類)のレセプト情報を抽出し、この地域の0~6歳の子どもの疾病の特徴を明らかにすることを目的とした。対象となった地域の17,909名について23分類の疾病に関するレセプト情報(総件数と1,000人当たりの件数、保険総点数と1件当たりの点数)を抽出して検討を行った。性と地域によるレセプト情報の違いについては、いずれのレセプト情報にも性差は認められなかったが、地域差については「総件数」(F[2,1932]=17.2, 福岡>北九州・筑豊)、「1,000人当たりの件数」(F[2,1932]=39.5, 福岡・北九州<筑豊)、「総点数」(F[2,1932]=18.2, 福岡>北九州>筑豊)に認められ、各情報における特徴が示された。しかしながら、「1件当たりの点数」に地域差は認められなかった(F[2,1932]=2.8, p=0.059)。さらに、地域、性・年齢、入院外来区分の影響を取り除き、各疾病とレセプト情報の関連について重回帰分析を用いて検討した結果、従属変数としたすべてのレセプト情報について0.1%水準で有意な関連を示したのは「呼吸器系の疾患」であった。「総件数」「総点数」の差は加入者数の影響を受けるが、それらを考慮すると筑豊地域の件数が多いことが示された。また、疾患の種類については、データの集計時期を考慮すると、COVID-19の影響が大きいと思われるが、今後の継続的な検証が必要である。なお、本研究は福岡県国民健康保険団体連合会と公立大学法人福岡県立大学のデータ分析に関する共同研究業務の一環として実施された。

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