講演情報

[08測-ポ-02]小学校体育における反復横とび向上を意図した運動遊びの効果

*津田 龍佑1 (1. 金沢医科大学)
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文部科学省の体力・運動能力調査では、運動の得意な子とそうでない子、活動的な子とそうでない子などの二極化問題が指摘されている。学校現場において体力測定の成績が思わしくない場合、反復横とびを繰り返し練習する取り組みがみられるが、運動遊びを通した改善が望ましいと考えられる。そこで本研究では、運動遊び「鬼ごっこ」に着目し、その効果を石川県下のM小学校の児童21名を対象に検討した。
体育授業は2023年7月および9月の合計5時間であり、それぞれの授業の冒頭10分間を用いた。本研究では「鬼ごっこ」として「タッチおに」(JFA,2003)を用いた。単元前後に、体力測定の項目の1つである反復横跳びを測定した。また、前後に質問紙調査「運動・スポーツが好きですか」、「体育の授業が楽しいですか」を実施した。
本研究の主な結果は次のとおりである。 対象者全体でみると、反復横跳びの成績は介入前後で有意差は認められなかった(介入前:39.6±7.7回,介入後:40.9±4.8回)。 体力別にみると、反復横跳びの成績は体力高群では介入前後で有意差は認められなかったが(介入前:46.3±3.7回,介入後:44.6±3.6回)、体力低群では単元後に有意に向上した(介入前:33.5±5.0,介入後:37.5±3.2回)。 質問紙調査「運動・スポーツが好きですか」については、「好き」と回答した児童が介入前は66%、介入後は71%、「体育の授業が楽しいですか」については、「好き」と回答した児童が介入前は71%、介入後は85%であった。
以上から、「鬼ごっこ」の授業の成果として、体力低群において反復横跳びの成績が向上する可能性が認められた。

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