講演情報
[08測-ポ-09]中・高齢者における支持基底面を基準とした有効支持基底面の割合の足隔条件間差および日間信頼性2種類の動作による検証
*杉浦 宏季1、横谷 智久1 (1. 福井工業大学 スポーツ健康科学部)
ヒトは立位姿勢を保持する際、足圧中心(COP)を支持基底面内(BOS)に保持し続ける。COPをBOSの外周まで移動させることはできず、実際はその内側に存在する有効支持基底面(LOS)の外周までしか移動させることができない。つまり、BOSに対するLOSの割合(LPB)は大きいことが望まれる。しかし、LOSおよびBOSの両方を反映したバランステストは少なく、多くはBOSに着目されていない。また、テストの難度が高い場合、中・高齢者の中には成就できない者が存在する。本研究の目的は、中・高齢男性10名(60―74歳、65.5±5.4歳)を対象に、難度の異なるLPBテストの足隔条件(0 cm、10 cm)間差および日間信頼性を検証することであった。BOSの測定には足圧感知マットを、LOSの測定には重心動揺計を使用し、後者の上に前者を重ねた。被験者はBOSの測定後、円を描くようにCOPを移動する円動作、ならびにCOPを前後左右の計4方向に移動する直線動作によりLOSを測定した。本研究はこれを3日間実施した。2要因分散分析(足隔×日)の結果、両動作とも交互作用に有意性は認められず、足隔要因に有意な主効果が認められた。両動作のLPBはいずれの日も10 cmが0 cmよりも有意に大きかった。また、信頼性はいずれの条件も0.78を超えていた。結論として、日間信頼性は中程度以上である。円動作のLOSはBOSの40%未満(0 cm:33.5 ± 7.5%、10 cm:36.6 ± 8.7%)、直線動作のLOSはBOSの50%程度(0 cm:51.8 ± 12.6%、10 cm:54.3 ± 10.6%)であり、両動作とも足隔拡大によりLPBは大きくなる。
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