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[08測-ポ-10]カーネル密度推定を用いた重心動揺面積の時間経過に伴う変化

*内田 雄1 (1. 仁愛女子短期大学)
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[背景&目的]カーネル密度推定を利用した重心動揺面積(KDE面積)は、外周面積や矩形面積といった従来の動揺面積と異なる観点からの評価を可能にするかもしれない。重心動揺面積は測定時間の増加にともない大きくなると考えられるが、その変化傾向は各種面積変数により異なると予想される。本研究の目的はKDE面積の時間経過に伴う変化を各種重心動揺面積との比較から検討することである。[方法] 成人男女32名が本研究に参加した。被験者は重心動揺計上で1分間の両足立位姿勢(閉足)を3試行実施した。得られた座標データは、10秒毎に上限時間を設定した計6時間区間(0-10,0-20,0-30,…)で面積変数を算出した。面積変数として、外周面積、矩形面積、およびKDE面積を算出した。外周面積は、今岡ら(1997)の方法(外周面積i)とQuickhull法(外周面積q)の2種を算出した。KDE面積は、2次元KDEにより95%の確率質量が線内に位置するように描かれた等高線内の面積として算出した。60秒区間に対する各時間区間の面積比を算出し、時間経過に伴う重心動揺面積の変化を検討した。[結果]全ての面積変数の中央値は、時間区間の延長により大きくなった。KDE面積の0-10区間における面積比(Me:0.44,IQR:0.31-0.62)は、外周面積i(Me:0.28,IQR:0.20-0.35)、外周面積q(Me:0.31,IQR:0.22-0.39),および矩形面積(Me:0.33,IQR:0.22-0.42)といった他変数と比較して大きい傾向にあった。また、0-30区間でQ3が0.9を超えるなど、KDE面積は比較的早い時間で60秒区間と同等の面積に達する傾向にあった。[結論]他の重心動揺面積と比較し、KDE面積は比較的早い時間段階から大きな面積比を示し、時間経過に伴う面積の増加量は少ない傾向にある。

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