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[08測-ポ-11]高齢者の滑り転倒の原因と転倒回避対応動作の実態

*灘本 雅一1、出村 慎一2、中谷 敏昭3 (1. 桃山学院教育大学、2. 金沢大学、3. 天理大学体育学部)
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【背景】転倒は、事前に十分な注意を払ったとしても起きる。高齢者の転倒は、骨折を伴い要介護や寝たきりに繫がることが多い。転倒の原因や対応動作も躓き、滑り、踏み外しなど転倒の種類により異なると考えられる。まず、高齢者の転倒の実態把握が不可欠であろう。【目的】本研究では65歳以上の高齢者を対象に転倒の実態調査により転倒の原因や転倒時の身体の対応動作の実態から転倒時の衝撃を軽減させる動作の実態を解明させることを目的とした。【方法】大阪府他7都道府県在住の65歳以上の高齢男女645名対象に転倒に関する調査を実施した。調査内容は、1年以内と2~5年の転倒の種類、転倒の場所と時刻、転倒による怪我の種類や怪我の部位、転倒した状況とその対応動作等であった。【結果】主な転倒は、躓き(1年114件、2-5年41件)、滑り(1年35件、2-5年31件)、踏み外し(1年16件、2-5年15件)で、転倒無は1年449件、2-5年533件であった。主な転倒場所は、道路(1年87件、2-5年12件)、室内(1年31件、2-5年18件)、階段(1年24件、2-5年13件)であった。転倒の多い時刻は、午後(1年37件、2-5年39件)であった。骨折が多い転倒は、躓き(1年16件、2-5年3件)、滑り(1年6件、2-5年4件)で、手首、肘、尾骨、大腿骨の骨折が多かった。躓き転倒は凹凸のある場所(1年54件、2-5年22件)、滑り転倒は濡れている路面(1年21件、2-5年9件)、踏み外しは足元が暗い場所(1年3件、2-5年2件)であった。躓き転倒時は咄嗟の手だし(1年45件、2-5年12件)による対応が多く、滑り転倒時は 何も出来なかった(1年11件、2-5年8件)の回答が多かった。【まとめ】高齢者の転倒は、躓き転倒が多く手だしによる対応動作で衝撃を軽減しているが、滑り転倒の場合、対応動作がとれていない。

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