講演情報

[08測-ポ-28]敏捷性と平衡性を複合したステップテストの信頼性と妥当性の検討

*尾山 裕介1、坂口 雄介2、村山 敏夫3 (1. 桐蔭横浜大学、2. 北陸大学、3. 新潟大学)
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転倒を回避するためには敏捷性(外乱に対する素早い反応)や平衡性(反応後の姿勢制御能力)が必要である。我々はこれまで敏捷性を片脚挙上動作、平衡性を片脚立位動作で評価し、その両者を組み合わせることで新たなテストを開発してきた。若年者を対象とした場合、テストの信頼性や妥当性は確認できたものの、高齢者の場合、データのばらつきが多く、片脚立位動作が難しくテストの課題そのものが困難であった可能性がある。そこで本研究ではこれまでの知見を活かし、課題の難度を下げ、敏捷性と平衡性を複合した前方に素早く1歩を踏み出すテスト(以下、反応ステップテスト)を考案し、その信頼性と妥当性を検討した。
被験者は若年者39名(19.8±1.4歳)とした。反応ステップテストは圧力を検知するマットで立位姿勢をとり、光刺激発生後に前方に配置している重心動揺計に素早く一歩を踏み出すステップ動作で移動を行い、10秒間の両脚立ち姿勢を保持するテストとした。光刺激発生後、踏み出し足がマットから離地するまでの時間を敏捷性、ステップ後の両脚立ちの重心動揺を平衡性として評価した。また、これまで行われてきた敏捷性の測定(全身反応時間測定)および平衡性の測定(両脚立ちの重心動揺測定)を実施した。
反応ステップテストは全身反応時間測定および両脚立ちの重心動揺測定と同程度の高い信頼性が確認された。一方で、妥当性は反応バランステストと全身反応時間測定および両脚立ちの重心動揺測定の関連をみたものの、敏捷性と平衡性どちらも弱い関連が示された。したがって、被験者によってステップ戦略が異なり、妥当性が低くなった可能性が示唆された。

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