講演情報

[08測-ポ-33]鍛錬期による大学陸上競技選手の体力的特性および競技パフォーマンスの変化

*近松 俊弥1、畑島 一翔1、右代 啓祐2、海老原 有希2、熊川 大介1、田中 重陽1 (1. 国士舘大学大学院、2. 国士舘大学)
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大学陸上競技の期分けにおいて11月は移行期、12月から2月は鍛錬期、3月は準備期にあたる。鍛錬期は次シーズンの記録向上のために、主に筋力・持久力の強化を目的としてトレーニングを行う。本研究では鍛錬期による大学陸上競技選手の体力的特性および競技パフォーマンスの変化について検討することを目的とした。被験者は男子大学陸上競技選手19名とした。測定は鍛錬期前(pre)と鍛錬期後(post)に行った。競技パフォーマンスは測定日に最も近い競技会の記録を得点化し、WAスコアとした。トレッドミル走による漸増負荷テストによって得られた最大酸素摂取量(VO₂max)および体重当たりの最大酸素摂取量(VO₂max/kg)で有酸素性パワー発揮能力を評価した。連続リバウンドジャンプテストにおける跳躍高および接地時間からリバウンドジャンプ指数、ウィンゲートテスト全力ペダリングテストにおける最高パワー、体重当たりの最高パワー、平均パワー、体重当たりの平均パワーによって無酸素性パワー発揮能力を評価した。移行期におけるVO₂max/kgの上位9名をH群、下位10名をL群とし、それぞれでpreからpostにおける変化率を算出した。競技パフォーマンスの指標であるWAスコアはH群においてpostがpreよりも有意に高い値を示した。一方、L群はWAスコアおよび各測定項目すべてにおいて有意差は認められなかった。またH群におけるpostの無酸素性パワー発揮能力は有意ではないものの、増加もしくはほぼ維持していた。よって、鍛錬期開始前にVO₂max/kgが高い水準にある選手は鍛錬期後に競技パフォーマンスが向上していたこと、また無酸素性パワー発揮能力はほぼ維持できていたことから、鍛錬期におけるVO₂max/kgを基準とした体力評価やトレーニングプログラムの作成に有用である可能性が示唆された。

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