講演情報

[08測-ポ-37]タイミング予測における自由視の視線行動パターン

*平野 陸1、木塚 朝博2、小野 誠司2 (1. 筑波大学大学院 人間総合科学学術院、2. 筑波大学 体育系)
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これまで、移動視標がゴール地点に到達するタイミングを予測してボタン押しで反応するタイミング予測課題において、眼球運動によって視標を追跡する条件では、ゴール地点を固視する条件に比べて到達タイミングの推定が遅延したことが報告されている(Miyamoto et al., 2021)。また、12°程度の周辺視で視標を見た場合には、到達タイミングの推定がより尚早した(Hirano et al., 2023)。このように先行研究では、眼球運動や視野それぞれの影響について検証している。しかしながら、実際は、眼球運動による視標の追跡や周辺視で俯瞰的に見るような視線行動が複合して用いられていると考えられ、それぞれの視線行動が単独で利用されているとは限らない。そこで、本研究では、大学生および大学院生を対象に、タイミング予測課題において視線行動を制限しない自由視の視線行動パターンの特徴および、その視線行動パターンがタイミング予測に与える影響を明らかにすることを目的とした。対象者はモニター上で水平(左または右方向)に20 deg移動する視標がゴール地点に到達するタイミングを予測して、ボタン押しで反応した。その際、ゴール到達前に提示時間の20-40%(ランダム)で視標の遮蔽区間を設けた。異なる視線行動として2条件(自由視条件、眼球運動条件)、視標の移動速度として3条件(8・16・32 deg/s)を設けた。その結果、タイミング誤差は、眼球運動条件と比較して自由視条件において有意に小さい値を示した。さらに、自由視条件における追跡パターンは眼球運動条件とは異なり、あらかじめ視標の移動方向に視線を向けて待機させるパターンがみられた。したがって、このような視線行動パターンの違いがタイミング予測に影響を及ぼしていることが示唆された。

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