講演情報
[08測-ポ-38]バスケットボールにおける選手の位置関係が攻撃に与える影響オフェンスプレイヤーがディフェンダーを引き付ける現象に着目して
*南沢 解1 (1. 順天堂大学大学院)
近年のバスケットボールで起きた変化の一つに、シュートエリアの二極化がある。試合中に放たれるシュートがスリーポイント(以下3pt)エリアの遠距離と、ペイントエリアと呼ばれるゴール至近距離からのものに集中しており、これらのシュートを多く打つ事が現代バスケットボールにおいて重要視されている。こうした変化を背景に、スペーシングの概念が注目され始めている。スペーシングとは一般的に『ハーフコート内でオフェンスプレーヤーによって作成されるオープンスペースの量』とされており、オフェンス側が何らかの方法によってディフェンダー1人あたりが請け負わなくてはいけない守備範囲を拡大させれば、スペーシングが改善されたといえる。上述のシュートエリアの二極化を背景としたスペーシング改善の具体例としては、3ptシュートを狙うために3ptラインの内側に相手を「引き付けて」外側にオープンスペースを広げることや、3ptライン付近に相手を「引き付けて」、ペイントエリアへの侵入を容易にすることが挙げられる。本研究ではオフェンスプレイヤーがディフェンダーを「引き付ける」度合いに着目し、攻撃の成否との関係性を明らかにすることで、チーム戦術を評価することを目的とする。なお「引き付ける」尺度はGitHub上に保存されたNBA(National Basketball Association)のトラッキングデータを用い、選手間距離や各チームが形成する多角形面積を算出する事で可視化する。発表では該当シーズンの勝率1位チームと勝率最下位チームが対戦した3試合における、選手間距離・多角形面積と攻撃の成否との相関関係について報告する。
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