講演情報
[08測-ポ-48]注意の焦点の違いが自動車急制動時におけるペダル操作に及ぼす影響
*西田 唯人1、山際 大雅1、栗原 裕佳1、村山 敏夫2 (1. 新潟大学大学院 自然科学研究科、2. 新潟大学 教育学部)
【背景】本研究は、注意の種類の違いによって、自動車急制動時におけるペダル操作がどのように変化するかを明らかにすることを目的とした。【方法】自動車運転免許を保有する健常な成人13名(22.9±1.2歳)を対象に、4つの注意条件を用いて自動車急制動時を模擬した実験を実施した。実験車両の前部4.85m、高さ2.0mに信号を模したライトを設置し、60km/hで走行する車両が30m前で信号機を認識する様子を模擬的に再現した。被験者にはマルチタスクを課し、信号が赤色に光ったら素早くブレーキペダルへ踏み替えさせた。信号が赤色に光った時点を基準に、アクセルペダルを解放するまでの時間(Acceleration pedal Release Time、以下ART)、アクセルペダルからブレーキペダルに踏み替えるまでの時間(Pedal Changing Time、以下PCT)、ブレーキペダルを踏むまでの時間(Reaction Time、以下RT)を評価した。注意条件として、指示の無い条件(control条件)、足の動きに注意を向ける条件(internal条件)、ペダルの操作に注意を向ける条件(external条件)、車の挙動に注意を向ける条件(car条件)の4条件を設定した。注意条件間の差を知るために、繰り返しのある一元配置分散分析を行った。多重比較にはBonferroni法を用いた。全ての統計処理にはR(Ver4.1.2)を使用し、有意水準は5%とした。【結果】各測定値において一元配置分散分析を行った結果、PCTにおいて注意条件の有意な主効果を示した。また、control条件と比較して、internal条件とexternal条件とcar条件の方が有意に低い値を示した。【結論】注意を向けることによって、自動車急制動におけるPCTを短縮させる可能性が示唆された。
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