講演情報
[03心-ポ-05]プレッシャートレーニングとして実施するサッカーのPKが心拍データに及ぼす影響
*北橋 達朗1、高井 秀明1 (1. 日本体育大学)
プレッシャー下における競技力向上を目的とした効果的な練習法として、プレッシャートレーニング(以下、PT)の有用性が示されている(Low et al., 2021)。PTとは、意図的にプレッシャーのかかるトレーニング環境を構築し、その中で練習することであり、競技力向上とあがりの軽減を目的としたプログラムである(Stoker et al., 2017)。先行研究では、PTによって全ての選手が十分なプレッシャーを必ずしも感じないことが報告されている(Kent et al., 2021)。したがって、PTの有用性を高める要因を明らかにするため、まずは競技種目毎に検討する必要があるだろう。そこで、本研究においては、サッカーを対象にPTとして実施するPKが心拍データに及ぼす影響について検討することとした。実験参加者は、A中学校のサッカー部に所属する男性 22 名であった。本研究の目的により、ゴールキーパーを除く、フィールドプレイヤー20名(平均年齢:14.1±0.6歳、競技年数:8.8±1.7年)を分析対象とした。試合本番と同様に、実験参加者は、2チーム(各11名)に分けられ、ゴールの中心から11m離れた位置にあるフルサイズ(幅7.32m×縦2.44m)のゴールに対し、それぞれが1回ずつ試技を行った。なお、実験参加者は、実験前に心理検査のThe Mental Readiness Form-3(MRF-3; Krane, 1994)および新版STAI状態―特性不安検査(肥田野ほか、2000)に回答し、心拍センサ(Polar社製)を装着した。次に、安静時とPK時の心拍データが測定された。安静時とPK時の心拍数の平均値について、対応のあるt検定を行った結果、安静時からPK時にかけて心拍数は有意に増加した。したがって、PKは中学生のサッカー選手にとってプレッシャーを与えられる十分な効果があるといえる。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン