講演情報
[03心-ポ-04]ハンドボール熟練者がプレー予測に用いる手がかりに関する研究2対1の状況下における守備者を対象として
*池上 直紀1、佐々 敬政2、筒井 茂喜3 (1. 兵庫教育大学連合大学院、2. 宮崎大学、3. 兵庫教育大学)
本研究は、ハンドボール熟練者がプレー予測に用いる手がかりの内実を明らかにすることを目的とした。すなわち、ハンドボール熟練者に眼球運動計測装置を装着し、2対1の状況下における攻撃プレー映像を守備者視点で視聴させた後、映像上に注視点が投影されたディスプレイを提示し、「攻撃側の何を注視したのか(注視点をより具体的に聞き出す)」「なぜ、それを注視したのか」「どのようなプレーをしてくると予測したのか」など、注視点ごとの予測される攻撃者のプレーとその予測に用いた手がかりについて半構造化インタビューを実施した。その結果、熟練者は、シュートエリア外(9mラインの外側)では、攻撃者の非運動学情報(ステップシュートを好む、右へのカットインを好むなどの“行為選好”や0度の位置では、守備者を引き付けて45度にいる味方へパスをするなどの“コート上の位置における一般的な行動傾向”)を手がかりとし、「ボール保持者は、0度の位置にいるので、守備者を引き付けて、45度にいる味方にパスをして、パスを受けた味方プレイヤーがシュートを打つ」などのプレー予測をしていることがわかった。その後、プレーが進み攻撃者がシュートエリア内に侵入してくると、攻撃者の運動学情報(目線、腰の高さ、腕の位置などの“身体部位”)をプレー予測の手がかりとしていた。また、シュートエリア外では、多くのプレーを予測していたが、攻撃者がシュートエリア内に近づき、侵入してくるにつれて、予測するプレーが1つに絞られていくことがわかった。さらに、シュートのワンプレー前では、攻撃者の保持するボールの位置を手がかりに、攻撃者のシュートコースを予測していることが明らかになった。これらに加え、熟練者は、シュートエリア外の時点で予測した攻撃者のプレーに対し、実施される可能性が高いと考える順に順位付けしていることがわかった。
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