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[03心-ポ-06]イメージ想起中における身体の姿勢が運動パフォーマンスに及ぼす影響動作分析を用いた検討

*相川 聖1、高井 秀明2、山口 雄大2、中瀬 卓也2、白井 健三2 (1. 関西学院大学、2. 日本体育大学)
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身体の姿勢はイメージトレーニングで考慮すべき要因であり(Schuster et al., 2011)、イメージトレーニングの実施に必ず関わる要因である。本研究の目的は、動作分析を用いて、イメージ想起中における身体の姿勢が運動パフォーマンスに及ぼす影響について検討することとした。実験対象者は、A大学の男子学生30名であった。本研究はイメージを想起する際の身体の姿勢に基づき、立位群(10名)、座位群(10名)、仰臥位群(10名)から構成された。本研究では倒立前転を3回実施(Pre)、その後にイメージ想起10回と倒立前転の練習1回を1セットとする介入を5セット実施させ、再度倒立前転を3回実施(Post)させた。実験対象者の倒立前転はデジタルビデオカメラ(FDR-AX700, Sony社製)で撮影し、動作解析ソフト(Pose-Cap, フォーアシスト社製)を用いて実験対象者の倒立前転における各関節角度を算出した。さらに、PreおよびPostにおける熟練者の倒立前転との差を算出し、その値を倒立前転のパフォーマンスの指標とした。倒立前転はProios(2019)に基づき、10局面に分けて分析した。分析の結果、第3局面における振り上げ脚の膝関節の角度および第5局面における膝関節の角度、第5局面と第6局面における腰の角度のタイミングに有意な主効果が認められ、各群のパフォーマンスはPreからPostにかけて向上していることが示された。また、すべての分析局面において有意な交互作用は認められなかったため、各群のパフォーマンスの向上に違いがないことが示された。本研究の結果から、倒立前転のように逆位を含む姿勢の変化を伴う場合には、イメージ想起中における身体の姿勢はパフォーマンスにあまり影響しない可能性が示された。今後は運動パフォーマンスの種類による違いや長期的な介入による影響も検討する必要があるだろう。

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