講演情報

[03心-ポ-08]バスケットボール選手のドリブルジャンプシュート時にみられる注視行動

*三輪 哲矢1、菊政 俊平2、村山 孝之3 (1. 金沢大学大学院、2. 金沢学院大学、3. 金沢大学)
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バスケットボールにおいてドリブルしてから素早くジャンプシュートする際には、適切に注視を移動させることによって、様々な視覚情報を効果的に獲得することが重要であると考えられる。そこで、本研究では、バスケットボール熟練者と未熟練者のドリブルジャンプシュート時にみられる注視行動の違いについて検討することを目的とした。大学バスケットボール部の選手とバスケットボールの競技経験がない大学生(熟練群、未熟練群各7名)を対象とした。参加者は眼球運動測定装置を装着し、味方選手(パサー)からパスされたボールをキャッチした後にドリブルしてからジャンプシュートを行った。シュートパフォーマンス、動作局面ごとの各注視領域への注視時間割合、注視パターン、リングまたはボードへの合計注視時間や最終注視時間、リングまたはボードへの最初の注視開始タイミング、ならびに最終注視開始タイミングについて分析を行い、熟練者と未熟練者で比較した。その結果、熟練者はパスを受ける際にボールを注視し、次に空間、リング・ボードへと注視点を移動させた後、ディフェンダー、リング・ボードへと注視を移動させるパターンを多く用いている一方で、パスを受ける際に未熟練者はボールを注視し、次にフロアを注視した後、ディフェンダー、リング・ボードへと注視点を移動させるパターンが多いことが明らかになった。また、熟練者は未熟練者に比べてドリブル時におけるリングやボード、空間への注視時間が長く、フロアに対する注視時間が短いことが示された。さらに、熟練者は未熟練者に比べてリングやボードを早いタイミングから長い時間注視していることが明らかになった。以上のことから、熟練者はドリブル時にフロアを注視することなくリングやボード、空間に注視し、未熟練者に比べてリングやボードを早いタイミングから長い時間注視するといった注視行動を用いていることが示唆された。

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