講演情報

[06経-ポ-05]スポーツ・文化イベントのサービス評価

*藤谷 かおる1 (1. 金沢大学人間社会研究域地域創造学系)
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1.研究の目的:イベント業界では、「イベント評価は難しい・不可能」とされてきた(岡星、2019)。しかし、イベントが社会的な影響力を高め、公共性を有するようになると、ステークホルダー(社会、地域、関係者)への説明責任が発生する。本研究の目的は、国内のスポーツと文化イベントの類型【国・市区町村や諸団体・プロ(興行含む)】から、 (1)イベントの特長と実態、及び(2)サービス評価の構造と項目の違いを明らかにする。
2.研究方法:2021年4月1日~2022年3月20日の約1年間、スポーツあるいは文化イベントに参加した者(18歳~60歳代までの成人)838名を対象に Web調査を実施した。
3.結果:(1) イベントへの興味関心は、文化イベント(73.7%)の方がスポーツイベント(63.2%)よりも高い結果を示した。参加実態は、両イベントとも、興行イベント(プロスポーツやプロ演奏者など)への観戦・鑑賞行動の割合が最も高く、平均参加回数も多い。イベントの魅力は、文化イベントで「ワクワク感」「感動」、スポーツイベントで「一体感」「熱狂感」と特徴が異なる。イベント効果は「開催地の経済活性化」と「文化や活動への興味・関心、活動の参加促進」で、イベント参加者はスポーツイベントの効果を期待していた。(2)イベントの因子構造は、文化イベントで「F1:広報・周辺サービス」「F2:来場サービス」「F3:中核サービス」、スポーツイベントで「F1:来場サービス」「F2:広報・周辺サービス」「F3:中核サービス」を示した。評価の15項目は、いずれかのイベントサービス構造に属し、イベントサービスを測定する際の重要項目と考えられる。
4.今後の課題:イベントの目的は多様であり、目的に応じた評価項目を設定する必要がある。今後は個別イベントでのサービス項目の検討が必要になる。

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