講演情報

[03心-ポ-23]オープンスキルスポーツの駆け引きの上手さは自己分化と関係するのか?

*高井 秀明1 (1. 日本体育大学)
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オープンスキルスポーツでは、対戦相手との駆け引きが試合の勝敗を左右することもあり(陶山ほか、2017)、駆け引きの上手さはオープンスキルスポーツのアスリートにとって必要な能力といえよう。しかしながら、対戦相手との駆け引きはどのような要因が関係し、生成されるのかについてはあまり明らかにされていない。実際、対戦相手の感情や思考を読むことができれば、有利に試合を展開できるものと考えられる。そこで、本研究においては、感情や思考に関係する「自己分化」の概念(Bowen, 1976)に着目し、オープンスキルスポーツの駆け引きの上手いアスリートが有する自己分化の特徴について検討することとした。研究対象者は、A大学の体育学専攻学生206名であり、オープンスキルスポーツのアスリート120名(男性99名、女性20名、未回答1名、平均年齢19.8±0.9歳)が分析対象者であった。研究対象者には、フェイスシートとして年齢、性別、スポーツ種目、競技レベル、自己主張、環境適応、コミュニケーションについて回答を求めた。また、オープンスキル・スポーツにおける駆け引き上手尺度(陶山ほか、2017)と日本語版自己分化測定尺度(中島、2019)についても回答を求めた。なお、本研究では、オープンスキル・スポーツにおける駆け引き上手尺度の得点が高い群(駆け引きの高得点群)と低い群(駆け引きの低得点群)に分けて検討した。その結果、駆け引きの高得点群は、駆け引きの低得点群よりも日本語版自己分化測定尺度のアイポジション尺度(IP)の得点が有意に高い傾向を示した。さらに、駆け引きの高得点群は、駆け引きの低得点群よりもフェイスシートの自己主張の得点が有意に高かった。よって、駆け引きの上手いアスリートは、対戦相手に流されない自己感覚や信念があり、自己主張ができる特徴があるだろう。

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