講演情報

[03心-ポ-25]大学生アスリートが認知する心理的安全性の人口統計学的特徴

*松原 旭飛1、高井 秀明2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)
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本研究の目的は、人口統計学的変数(学年、性別、競技種目、チーム内役割、チーム内地位)に基づいて、大学生アスリートが認知している心理的安全性の特徴を明らかにすることである。調査は、関東圏の大学でスポーツ科学関連講義を受講する体育学専攻学生を対象とし、大学の運動競技部に所属し、現在も競技を行っているアスリート327名(男性153名、女性174名、Mage19.60 ± 1.02)が分析対象者であった。調査対象者には、Googleフォームを用いて、フェイスシートおよびPsychological Safety Scale日本語版7項目(以下「PSS日本語版」:丸山・藤、2022)に回答を求めた。なお、PSS日本語版の項目分析を行った後に信頼性と妥当性を確認したところ、天井効果のみられた1項目を除く6項目版が、7項目版よりもわずかに良好な適合度を示したため、本研究では6項目版を用いた。分析は、学年、チーム内地位(レギュラー、準レギュラー、非レギュラー)を独立変数、PSS日本語版の得点を従属変数とした対応のない一要因の分散分析を行い、有意な主効果がみられた場合は、TukeyのHSD法による多重比較を行った。また、性別、競技種目(集団競技、個人競技)、チーム内役割の有無を独立変数、PSS日本語版の得点を従属変数とした対応のないt検定を実施した。分析の結果、人口統計学的差異が認められたのは性別とチーム内地位である。具体的には、男性は女性よりも心理的安全性の得点が有意に高く(p<.001、d=.37)、レギュラーは非レギュラーよりも心理的安全性の得点が有意に高かった(p<.05、η2=.02)。以上のことから、大学生アスリートが認知する心理的安全性は性別およびチーム内地位により異なることが示された。

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