講演情報
[03心-ポ-24]防衛的悲観主義者の指導方法に関する質的検討指導者の選手とのかかわり方に着目して
*木村 駿介1 (1. 静岡産業大学)
近年,指導者の指導スタイルが選手のパフォーマンスを引き出すうえで重要な役割を果たすことが多く報告されている。しかし,指導者の心理的要因を測定するために指導を受けた選手による他者評定を用いた方法がとられるなど(亀井・岡本,2022),直接指導者の心理的要因を検討した研究は多くない。
指導者と選手のコミュニケーションや,指導者自身のパフォーマンスに関連する要因として楽観主義と悲観主義といった認知的方略が挙げられる。従来,楽観主義であることがパフォーマンスを高めるうえで重要であることを示す報告が多く行われてきた。しかし近年,悲観的思考を用いることで高いパフォーマンスを発揮することができる方略として防衛的悲観主義への注目が高まっている。防衛的悲観主義とは,問題や課題の対処に際して過去の結果を肯定的に認知し,将来起こる出来事に対してあえて悲観的な予測を行うことで十分な準備を行い,結果として高いパフォーマンスを示す者たちである(Norem & Cantor,1986)。つまり,防衛的悲観主義者と楽観主義者は将来に対する対称的な予測を行うことでパフォーマンスを高めていると考えられる。
上記に鑑みると,指導者が用いる認知的方略が選手の動機づけやパフォーマンスに与える影響は小さくないと考えられる。例えば,楽観主義である指導者の予測がそのままメッセージとして伝えられた場合には,防衛的悲観主義である選手のパフォーマンスが低下してしまう可能性が考えられる。そこで,本研究では防衛的悲観主義を用いる指導者を対象として,自己表現や選手とのかかわり方,チームの目標設定や指導上の哲学などについてインタビュー調査を実施し,防衛的悲観主義を用いる指導者が指導上留意している点や選手の個別性への配慮について検討を行った。
指導者と選手のコミュニケーションや,指導者自身のパフォーマンスに関連する要因として楽観主義と悲観主義といった認知的方略が挙げられる。従来,楽観主義であることがパフォーマンスを高めるうえで重要であることを示す報告が多く行われてきた。しかし近年,悲観的思考を用いることで高いパフォーマンスを発揮することができる方略として防衛的悲観主義への注目が高まっている。防衛的悲観主義とは,問題や課題の対処に際して過去の結果を肯定的に認知し,将来起こる出来事に対してあえて悲観的な予測を行うことで十分な準備を行い,結果として高いパフォーマンスを示す者たちである(Norem & Cantor,1986)。つまり,防衛的悲観主義者と楽観主義者は将来に対する対称的な予測を行うことでパフォーマンスを高めていると考えられる。
上記に鑑みると,指導者が用いる認知的方略が選手の動機づけやパフォーマンスに与える影響は小さくないと考えられる。例えば,楽観主義である指導者の予測がそのままメッセージとして伝えられた場合には,防衛的悲観主義である選手のパフォーマンスが低下してしまう可能性が考えられる。そこで,本研究では防衛的悲観主義を用いる指導者を対象として,自己表現や選手とのかかわり方,チームの目標設定や指導上の哲学などについてインタビュー調査を実施し,防衛的悲観主義を用いる指導者が指導上留意している点や選手の個別性への配慮について検討を行った。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン