講演情報

[03心-ポ-28]一過性の多人数同時参加型オンラインゲームがチーム行動に与える影響Minecraftを用いて

*折茂 紗英1、高井 秀明2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)
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チームワーク向上を目的としたオンラインゲーム実施の効果は多くの研究で検証されている(e.g., Voulgari and Komis、2010)。先行研究では、ゲームの攻略を身につけた上で参加することが重要であると指摘されており(高田、2016)、ある程度のゲーム技能が求められている。そこで、本研究では小学生から大人まで親しまれているMinecraftをツールとして用いることとした。Minecraftはマルチプレイが可能であるため、本研究においてもチームの共同作業やチームビルディングを可能にするものと考えられる。そこで本研究では、大学生アスリートにおける集団への関わり方の違いをMinecraftによって検討する。実験参加者は、同一の運動部に所属する22名(男性14名、女性8名、平均年齢19.14±0.97歳)であった。実験では、ゲーム経験の有無や性別が均等になるよう、グループを6つ作成した。まずは、実験への取り組み度合いについて比較するため、群を独立変数とした対応なしのノンパラメトリック検定を実施した。有意差が見られた場合は、Kruskal-Wallis検定を実施した。その結果、ゲームの難易度、コミュニケーション量、協力の程度に有意差が見られた(p<.05)。グループ6はグループ3、4、5よりも有意に難易度を低く評価した。また、グループ5はグループ1、4、6よりも有意にコミュニケーション量を少なく評価した。そして、グループ3、5はグループ1、6よりも有意に協力の程度を低く評価した。なお、グループ6では、積極的に指示やゲームに関するコミュニケーションがとられ、スムーズにゲームが進行されていた。一方、グループ5ではゲーム開始時から終始無言の状態が続き、個人が独立した状態でゲームが進行されていた。以上により、グループ毎の成員の特徴がゲームへの取り組み方にあらわれたといえるだろう。

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