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[03心-ポ-40]テキストマイニングを用いた健康意識と情報技術の関連性の検討

*井上 裕美子1、下浦 彰大1 (1. 大阪工業大学情報科学部)
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人々の健康への意識や取り組みは,年々変化している.健康意識に変化を及ぼす要因としては,世界的な広がりをみせた感染症などの社会情勢や,スマートフォンやウェアラブル機器等の情報技術の発展などが考えられる.本研究では,技術の発展や社会情勢等の背景が人々の 健康意識にどのように反映されるのかについて検討した.
 健康意識について分析するため,2002年から2023年の21年間の日経各紙から,「健康」と「アプリ」の両方を含む記事の段落を抽出し,データーベースを作成した.KHcoderを利用してテキストマイニングを行い,「健康」,「アプリ」と関連の深いキーワードを抽出し,共起ネットワークを作成し検討した.
 21年間で「健康」,「アプリ」が含まれた記事数は3,431件,抽出した語は,849,685語であった.21年間で出現回数が上位の抽出語の共起ネットワークでは,「健康」,「アプリ」と同じクラスターに,「スマートフォン」や「サービス」などの語が,他のクラスターには,「医療」,「患者」,「オンライン」などの語が示された.年毎にみてみると,2014年,2015年の新抽出語の「ウェアラブル」は,この年に健康関連のウェアラブル機器が発売され,注目を集めたため出現したと推察された.また,2020年,2021年では,新抽出語として「新型コロナウイルス」が出現し,それと共に医療関連の語が増えた.更なる特徴としては,2020年までほぼ毎年出現していた「運動」,「食事」,「歩数」などの語が2020年,2021年では出現しなかった.2022年からは,5類化に伴い,再び,「運動」,「食事」,「歩数」などの語が出現するようになった.社会情勢が大きく変化すると人々の健康意識が大きく変わる事を反映すると同時に,「運動」,「食事」,「歩数」などの身近な健康の話題は,人々の中心課題であることも明らかとなった.

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