講演情報
[03心-ポ-44]大学空手道選手の選手選考が選考会前と試合後のメンタルヘルスに及ぼす影響
*杉野 瑞稀1、土屋 裕睦2 (1. 大阪体育大学大学院、2. 大阪体育大学)
【目的】本研究は大学空手道選手の選手選考がメンタルヘルスにどのような影響を及ぼしているのか明らかにすることを目的とした。【方法】大学空手道選手(男性22名、女性11名、20.1±1.10歳)を対象とした。調査内容は、スポーツ選手のメンタルヘルス評価尺度(MHSA)改正版(村上ほか、2001)であった。また、選考会前に指導者から見た選手のメンタルヘルスの評価をしてもらった。選考会前と試合後(時期)の2時点で調査を行った。【分析】時期での比較をするため、時期と選手選考を独立変数、メンタルヘルス評価を従属変数とし、二要因分散分析を行った。また、選手によるメンタルヘルスの自己評価(自己評価)と指導者から見た選手の評価(他者評価)の一致度(選手−指導者の差)の比較をするため、t検定を行った。分析にSPSS29.0.1.1(IBM社製,SPSS Statistics)を使用し、統計学的な有意水準は5%とした。【結果と考察】出場群と非出場群、非選手群で群分けをしたところ、非出場群と非選手群で有意差が示され、非出場群のメンタルヘルス評価が良好であることが分かった(F(2,30)=3.87,p<.05)。時期でのメンタルヘルス評価に有意傾向が示され、試合後のメンタルヘルスが良好であることが分かった(F(2,30)=3.00, p<.10)。また、試合後での非出場群と非選手群で有意差が示され、非出場群のメンタルヘルスが良好であることが分かった(F(2,30)=4.20, p<.05)。また、選手群と非選手群で群分けをし、自己評価と他者評価の一致度を検討したところ、選手群においてはメンタルヘルスにおける自己評価と他者評価の間の差が有意に小さいことが明らかにされた (t=-1.89, p<.05)。この結果から、選手選考がメンタルヘルスに影響を及ぼしている可能性があるということが示唆された。
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