講演情報

[03心-ポ-63]若者健常者に対する一過性の骨格筋電気刺激(EMS)が体幹筋活動及び心理的側面に及ぼす影響

*田中 康汰朗1、笹塲 育子2 (1. 立命館大学スポーツ健康科学研究科、2. 立命館大学スポーツ健康科学部)
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本研究では、一過性の骨格筋電気刺激(EMS)が、若者健常者の体幹筋活動及び心理的側面に及ぼす影響について検討した。21-23歳の健常者20名(男性17名、女性3名)を対象に、筋刺激有り・無しの2条件にランダムに振り分け、バランス能力・体幹筋力・感情に関する測定を、クロスオーバー方式を用いて実施した。動的バランス能力測定には、Diamond Steps Test(5•DS)とバランスディスクを用いたStar-excursion balance testを、静的バランス能力測定には、Kraus-Weber test変法大阪市大方式を、そして感情の評価には、改訂版ポジティブ感情尺度(MCL-S.2)を使用した。電気刺激の有無に関して対応のある検定を行った結果、5•DSの反時計回りにおいては、5%水準で有意な差がみられ(t(19)=2.249, p<.05)、電気刺激有のタイムが短かった。次に、Kraus-Weber testでは、1%水準で有意な差がみられ(t(19)=2.990, p<.01)、電気刺激有の得点が高かった。そして、MCL-S.2の「快感情」では、ネガティブな結果を示す有意な差が5%水準で認められた(t(19)=2.778, p<.05)。5•DSでは、電気刺激により内腹斜筋と外腹斜筋の活動が活発となり、歩行バランスと体幹が安定することや、多くの人にとって左回り(反時計回り)に慣れていることが影響したと考えられる。Kraus-Weber testでは、腹筋群に対する直接的な電気刺激により、測定時は既に強く力を入れたことのある状態で腹直筋を収縮する動作を維持・固定するテストを行なったため、腹直筋に力が入りやすい状態にあったことが考えられる。以上の結果から、EMSによる一時的な電気刺激は、動的バランスや静的バランスといった体幹筋活動に対して、一定の効果があることが明らかとなった。

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