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[03心-ポ-65]運動に起因した負荷が有効視野に与える影響について身体的および認知的な負荷による検討

*近藤 克磨1、永井 聖剛2、國部 雅大1、山崎 大暉2 (1. 筑波大学、2. 立命館大学)
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有効視野は従事する環境で大きさが変動し、大きさは有効視野課題(中心課題と周辺課題を同時に行う課題)での周辺課題の正答率で決定される。人間の注意量と処理資源量は限度があり、複数対象に視点を移す必要がある複雑な状況では、情報量の増加に対し、情報処理の至適化を行った結果、処理精度が低下し、有効視野の狭窄が生じる。スポーツ場面では、複数対象の捕捉と同時に、動作が要求されることで情報処理が阻害され、有効視野の狭窄が示唆される。実験1は足踏みを要求し、軽度な身体的な負荷が有効視野に与える影響を明らかにすることを目的とした。実験2はトラックボールを用いたリーチングと有効視野課題を同時に行った。リーチング難易度は3つで、事前に目標位置とカーソルの移動速度を覚え、本試行では見えない状態で実施した。操作の計画や実行、制御に起因した認知的な負荷が有効視野に及ぼす影響を明らかにすることが目的であった。
実験1では運動条件(立位,足踏み)で、周辺課題の光点検出に影響があったのか明らかにするため、分散分析を行うと偏心度(F(4, 76) = 269.10, p < .001)と運動条件(F(4, 76) = 8.84, p < .01)の主効果,偏心度と運動条件の交互作用が見られた(F(4, 76) = 8.46, p < .001)。足踏み時に偏心度20、25度で周辺課題のエラー率が増加したため,立位時と比べ視野周辺の情報処理が阻害されていた。
実験2において、リーチング難易度(統制・Easy・Hard)に起因した認知的な負荷が周辺課題の光点検出に与える影響を明らかにするため、分散分析を行ったが、偏心度の主効果は見られたが(F(4, 60) = 31.30, p < .001)、リーチング難易度の主効果は見られなかった(F(2, 30) = 0.60, p = .557)。よってリーチング操作に起因した認知的な負荷は有効視野に影響を与えなかった。

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