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[03心-ポ-60]香りの呈示が位置覚及び筋力発揮調整能に及ぼす心理的影響レモン香料とペパーミント香料による検討

*西垣 景太1、遠藤 慎也1、伊藤 兼敏2、荒木 将司2、後藤 幸生2、星野 邦秀2 (1. 東海大学 健康学部、2. 高砂香料工業株式会社 研究開発本部)
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本研究は、香りの呈示が位置覚及び筋力発揮調整能に及ぼす心理的影響について検討を行った。実験は、位置覚の測定として、多用途筋機能評価運動装置Biodex system4を用いて、3つの目標膝屈曲角度(15・45・60度)を被験者に記憶させた後、他動運動中の目標角度で停止させた誤差を測定した。また、筋力発揮調整能として、被験者の握力最大値に対して5~20%に設定した4つの波形に合わせて筋出力をした際の誤差の測定をした。心理尺度は、POMS2短縮版(35項目5件法)と二次元気分尺度(8項目6件法)及び香りのVAS(Visual Analog Scale)評価、緊張の度合いや香りの評価を行った。香りはレモン、ペパーミント、コントロールの3条件とし、各条件の香料を綿球に垂らし、フェイスシールドに装着する方法で香りを呈示した。本研究の被験者は、男女各6名の計12名を対象とした。
 位置覚の実験では、男性はコントロールよりもペパーミントが、女性はペパーミントよりもレモンの香りが、活力がみなぎると評価した。男女ともにコントロールよりもレモンを好み、疲労回復をサポートすると評価した。筋力発揮調整能の実験では、女性よりも男性の方が香りを強く感じており、香りによって活力がみなぎることやパフォーマンス発揮に有効であると評価した。また、コントロールよりもレモンとペパーミントの方が、活力がみなぎりパフォーマンス発揮できることやリラックスできると評価した。女性のみコントロールよりもレモンの香りを疲労回復に有効であると評価した。男女差なくコントロールよりもペパーミントの方が覚醒度は増し、レモンの香りでは緊張の低下、ペパーミントの香りでは緊張感の向上が認められた。
 位置覚や筋力発揮調整能を評価する運動時の香りの評価には、香り条件や性別により心理的評価が異なることが明らかになった。

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