講演情報

[10保-ポ-08]計量テキスト分析に基づく小学校における障害事故発生状況の類型化

*満下 健太1、安永 太地2 (1. 静岡大学、2. 早稲田大学)
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日本スポーツ振興センターが公開している「学校等事故事例検索データベース」には,同センターが災害共済給付を行った,学校等において発生した障害・死亡事故が記録されている。同データベースには発生状況の概要が示されていることから,分析によって障害事故が発生している状況について知見が得られる可能性がある(満下ほか, 2023)。本研究では,小学校の障害事故を対象とした計量テキスト分析および外部変数との関連の分析から,その発生状況の類型化を試みる。分析時点での公開範囲であった平成17年〜令和4年の全1869事例について,テキストマイニングの後,出現語の整理ののち最低出現回数が64,最低出現文書数10を基準に全82語(累積百分率 = 85.44%)について共起ネットワーク分析を行った。9つのサブグラフの解釈の結果,解釈不能な1つを除き,発生状況として「遊びでの対人接触」「転倒による顔面強打」「足が滑った転倒」「鉄棒落下」「追いかけ遊び(鬼ごっこ)」「(机等の)角への額接触」「ガラス破損による切創」「ボール運動」「バランス崩し」の全9状況が抽出された。これらについて,サブグラフを構成する単語を参考にコーディングルールを作成し,再度テキストマイニングを行った。各状況コードについてクロス集計によって関連を分析した結果,「遊びでの対人接触」と「ボール運動」のみ有意な関連が見られた。コードの出現に対する学年と性別の影響を二項ロジスティック回帰分析によって検討した結果,「転倒による顔面強打」「角への額接触」は低学年の,「ボール運動」「ガラス破損による切創」は高学年の特徴であること,「角への額接触」「鉄棒落下」は女子の特徴であることがわかった。以上の結果から,低学年女子での角への額接触など,事故の発生状況類型化がある程度達成できたと考えられる。

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