講演情報

[09方-ポ-10]大学生競技者が考えるコーチとの人間関係とチームの競技結果・プレイヤーの競技水準・性との関連全日本大学選手権大会出場チームを対象にCART-Qを用いた調査

*八板 昭仁、青柳 領1、大山 泰史2 (1. 福岡大学、2. 佐世保工業高等専門学校)
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コーチと競技者間の人間関係については,Jowett et al.(2004)によって「関わり」「親密さ」「相補性」の3つの側面から客観的に測定するための質問紙(CART-Q)が作成され,この質問紙を用いて多くの検討がなされている.国内のCART-Qによる調査では,高校生競技者を対象としているものが多く海外の調査と比較して低値を示す報告が多い.そこで本研究は,国内大学生トップレベルのチームに所属する競技者が考えるコーチとの人間関係について調査するとともに,チームの競技結果,プレイヤーの競技水準,性との関連を検討することとした.対象は,第73回全日本大学バスケットボール選手権大会に出場した男女27チームの選手696名であり,質問紙による調査を実施した.質問紙はCART-Qによるコーチとの関係に関する「関わり」3項目,「親密さ」4項目,「相補性」4項目であり,全11項目の平均値を算出するとともに3つの特性各項目の平均値を独立変数として,1・2回戦敗退と準々決勝進出に分類した「チームの競技結果」,大会エントリーされベンチ入りとエントリー外に分類した「プレイヤーの競技水準」,男女に分類した「性」を各モデルとして多項目分散分析を行った.その結果,全11項目の平均値は5.31±1.34,「関わり」4.85±1.45,「親密さ」5.57±1.31,「相補性」5.51±1.11であり,これまでの高校生対象の調査よりもそれぞれ高値を示した.多項目分散分析では,「関わり」「親密さ」「相補性」の3特性とも「チームの競技結果」においては準々決勝進出,「プレイヤーの競技水準」ではベンチ入り,「性」では男子が高値を示し,「親密さ」における「性」以外は有意な差が認められた.さらに,「関わり」「親密さ」「相補性」のすべてで「チームの競技結果」の効果量が高値であり関連の大きさが示された.

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