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[09方-ポ-30]リバウンドジャンプ時の接地時間および跳躍高の優劣が疾走加速局面に与える影響

*井上 恵太1、佐藤 大典1、山下 直之2、萩野 敏生1、三島 隆章1,3 (1. 大阪体育大学スポーツ科学センター、2. 京都工芸繊維大学、3. 大阪体育大学)
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リバウンドジャンプ (RJ)におけるパフォーマンスの評価は、跳躍高を接地時間で除した値 (reactive strength index、RSI)が用いられる。RSIを構成する跳躍高と接地時間は、それぞれが独立した構成要因であるが、それぞれの要因の優劣が疾走加速局面に与える影響について不明である。【目的】RSIを構成する跳躍高と接地時間の優劣が、跳躍能力と直線疾走能力に与える影響について検討すること。【方法】対象者は大学女子アスリート74名とした。跳躍能力の測定には、RJおよびカウンタームーブメントジャンプ (CMJ)を、直線疾走能力の測定には20 mスプリント走を採用した。RJは光学式ジャンプ測定器により、接地時間、跳躍高、RSI、パワーを算出した。CMJはフォースプレートにより跳躍高を算出した。20 mスプリント走は光電管により、スタートから5 m、10 mおよび20 mの通過時間を計測し、通過時間および各区間速度を算出した。対象者を2群に分けるため、接地時間と跳躍高のそれぞれに対してクラスター分析を実施した。各群の比較には、対応のないt検定を用いた。【結果】RJ中の跳躍高が高い群(n=34)と低い群(n=40)を比較した結果、高い群の方が低い群よりもCMJ高、RJの跳躍高、RSI、パワーが有意に高く(p<0.001)、5-10 mおよび10-20 m区間速度も有意に高かった(p<0.045)。RJ中の接地時間が短い群(n=41)と長い群(n=33)を比較した結果、短い群の方が長い群よりも接地時間は有意に短く(p<0.001)、RSIおよびパワーは有意に高かった(p<0.001)。【結論】RSIを構成する跳躍高の優劣は、5 mから20 mまでの疾走加速能力の優劣に影響することが示唆された。一方で,RSIを構成する接地時間の優劣は、20 mまでの疾走加速能力の優劣に影響しないことが示唆された。

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