講演情報
[O-2-4]2型糖尿病患者における身体機能と性格特性・社会的フレイルとの関連性の検討
*水野 博彰1,2、月城 一志1、宇都宮 功一1、平沼 侑花1、下郡 明久1、安田 絵里奈1、對馬 栄輝2 (1. 下関市立市民病院リハビリテーション部、2. 弘前大学大学院保健学研究科)
キーワード:
身体機能、性格特性、社会的フレイル
背景・目的
高齢な2型糖尿病患者は身体機能の低下やフレイルが問題となっており、ADLやQOLさらには生命予後にも影響を及ぼす。身体機能に影響する心理社会的要因の重要性は指摘されているが、十分に検討されていない。そこで、2型糖尿病患者の性格特性および社会的フレイルが身体機能に影響するかを探索的に検討した。
方法 研究デザインは後ろ向き観察研究とした。2023年2月~2025年6月に当院に教育目的で入院した18歳以上の2型糖尿病患者118名(男性58.5%、平均年齢65.7±15.8歳)を対象とした。電子カルテより基本情報、医学的情報、身体機能評価として10m歩行速度(快適速度、最大速度)、握力、上腕周径、下腿周径、Short Physical Performance Battery(SPPB)、性格特性評価として東大式エゴグラム(TEG)、社会的フレイルとしてMakizako scaleを評価した。SPPB9点以下をフレイル群、10点以上を非フレイル群の2群に分類し群間比較を実施した。また,従属変数をSPPB合計点、独立変数を年齢、性別、糖尿病罹病期間、BMI、TEG各ドメインと社会的フレイルの有無、HbA1c、ALB 、総蛋白、Cre、eGFR、食前後Cペプチド値、UALB/Cre、握力、下腿周径、上腕周径、快適歩行速度、3大合併としたステップワイズ法による重回帰分析を適用した。解析にはR4.3.1(freeware)を使用し、有意水準は5%とした。
結果
フレイル群29名,非フレイル群89名であった。有意差を認めた項目は、年齢、性別、身長、体重、糖尿病罹病期間、網膜症の有無、BMI、A、CP、FC、ALB、eGFR、食後Cペプチド値、UALB/Cre、握力、下腿周径、上腕周径、SPPB合計点、快適・最大歩行速度、社会的フレイルの有無であった。重回帰分析の結果では、CP(b=0.32)、eGFR(b=0.37)、握力(b=0.24)が抽出された(p<0.01)。
結論 2型糖尿病患者の身体機能に影響する因子は、性格特性の一部であるCP得点、腎機能指標であるeGFR、および握力であった。これらの結果は、身体的要因だけでなく心理的要因が身体機能に関与する可能性を示しており、包括的な介入の必要性が示された。
倫理的配慮:
本研究はヘルシンキ宣言および関連指針に準拠し、当院倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:令7市民倫第33号)。研究情報を当院 HP に公開し、対象者が研究不参加を選択できるよう配慮した。
高齢な2型糖尿病患者は身体機能の低下やフレイルが問題となっており、ADLやQOLさらには生命予後にも影響を及ぼす。身体機能に影響する心理社会的要因の重要性は指摘されているが、十分に検討されていない。そこで、2型糖尿病患者の性格特性および社会的フレイルが身体機能に影響するかを探索的に検討した。
方法 研究デザインは後ろ向き観察研究とした。2023年2月~2025年6月に当院に教育目的で入院した18歳以上の2型糖尿病患者118名(男性58.5%、平均年齢65.7±15.8歳)を対象とした。電子カルテより基本情報、医学的情報、身体機能評価として10m歩行速度(快適速度、最大速度)、握力、上腕周径、下腿周径、Short Physical Performance Battery(SPPB)、性格特性評価として東大式エゴグラム(TEG)、社会的フレイルとしてMakizako scaleを評価した。SPPB9点以下をフレイル群、10点以上を非フレイル群の2群に分類し群間比較を実施した。また,従属変数をSPPB合計点、独立変数を年齢、性別、糖尿病罹病期間、BMI、TEG各ドメインと社会的フレイルの有無、HbA1c、ALB 、総蛋白、Cre、eGFR、食前後Cペプチド値、UALB/Cre、握力、下腿周径、上腕周径、快適歩行速度、3大合併としたステップワイズ法による重回帰分析を適用した。解析にはR4.3.1(freeware)を使用し、有意水準は5%とした。
結果
フレイル群29名,非フレイル群89名であった。有意差を認めた項目は、年齢、性別、身長、体重、糖尿病罹病期間、網膜症の有無、BMI、A、CP、FC、ALB、eGFR、食後Cペプチド値、UALB/Cre、握力、下腿周径、上腕周径、SPPB合計点、快適・最大歩行速度、社会的フレイルの有無であった。重回帰分析の結果では、CP(b=0.32)、eGFR(b=0.37)、握力(b=0.24)が抽出された(p<0.01)。
結論 2型糖尿病患者の身体機能に影響する因子は、性格特性の一部であるCP得点、腎機能指標であるeGFR、および握力であった。これらの結果は、身体的要因だけでなく心理的要因が身体機能に関与する可能性を示しており、包括的な介入の必要性が示された。
倫理的配慮:
本研究はヘルシンキ宣言および関連指針に準拠し、当院倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:令7市民倫第33号)。研究情報を当院 HP に公開し、対象者が研究不参加を選択できるよう配慮した。
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