講演情報
[P-2-1]理学療法士による運動指導が1型糖尿病患者の血糖管理および身体機能に及ぼす効果
*飯田 秀人1、橋本 善隆2、関山 貴士1、尾崎 圭一1 (1. パナソニック健康保険組合 松下記念病院 診療技術部 リハビリテーション療法室、2. パナソニック健康保険組合 松下記念病院 糖尿病・内分泌内科)
キーワード:
1型糖尿病、運動指導、身体機能
【はじめに、目的】糖尿病診療において患者がメディカルスタッフから運動指導を受ける機会は少ない。我々はこれまでに2型糖尿病における理学療法士による外来運動指導の有効性を報告したが、1型糖尿病の運動指導に関する実態や効果は不明である。そこで今回、1型糖尿病患者を対象に運動指導の有効性を検討した。
【方法】当院外来通院中の1型糖尿病患者13名(男性2名、平均年齢47.2±12.1歳)を対象とした。初回介入時と6ヶ月後にHbA1c、身体機能[握力、相対握力(kgf/kg)、膝伸展筋力(kgf/kg)、下肢筋質(MQ)、6分間歩行距離]、行動変容ステージ、体成分分析を評価した。また持続血糖測定を用い、目標血糖範囲内時間(TIR)、目標血糖範囲上時間(TAR)、目標血糖範囲下時間(TBR)の変化も評価した。対象者の受診日に合わせて運動指導(レジスタンストレーニング、有酸素運動)、生活指導を実施した。
【結果】HbA1c[6.9(6.4-7.3)%→6.8(6.2-7.0)%(p=0.03)]は有意に改善した。また、TIR[62.2±19.7%→65±21.7%(p=0.15)]、TAR[33.1±21.2%→30.8±22.0%(p=0.27)]、TBR[3(1-9)%→2(0-8)%(p=0.86)]は有意差はなかったが、TBRの増加は認めず、TARは低下傾向であった。身体機能は、握力[26.0±3.3kgf→27.6±3.5kgf(p=0.002)]、相対握力[0.45±0.09kgf/kg→0.48±0.1kgf/kg(p=0.02)]、膝伸展筋力[0.52±0.12kgf/kg→0.59±0.14kgf/kg(p=0.01)]、MQ[4.7±0.97kgf/kg→5.3±0.81kgf/kg(p=0.03)]、6分間歩行距離[522±69.3m→572.4±79.6m(p<0.0001)]と全ての項目で有意に改善した。体成分分析は有意差を認めなかった。行動変容ステージについては介入前後で有意に進展した。
【結論】理学療法士による継続的な運動指導は動機づけを高め、1型糖尿病に対しても血糖管理および身体機能改善に寄与することが示された。特に低血糖の増加なく血糖管理指標が改善傾向を示した点は注目される。本研究結果は糖尿病における理学療法士による運動指導の有用性を支持するものである。
倫理的配慮:
本研究は松下記念病院の倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:18002)。
【方法】当院外来通院中の1型糖尿病患者13名(男性2名、平均年齢47.2±12.1歳)を対象とした。初回介入時と6ヶ月後にHbA1c、身体機能[握力、相対握力(kgf/kg)、膝伸展筋力(kgf/kg)、下肢筋質(MQ)、6分間歩行距離]、行動変容ステージ、体成分分析を評価した。また持続血糖測定を用い、目標血糖範囲内時間(TIR)、目標血糖範囲上時間(TAR)、目標血糖範囲下時間(TBR)の変化も評価した。対象者の受診日に合わせて運動指導(レジスタンストレーニング、有酸素運動)、生活指導を実施した。
【結果】HbA1c[6.9(6.4-7.3)%→6.8(6.2-7.0)%(p=0.03)]は有意に改善した。また、TIR[62.2±19.7%→65±21.7%(p=0.15)]、TAR[33.1±21.2%→30.8±22.0%(p=0.27)]、TBR[3(1-9)%→2(0-8)%(p=0.86)]は有意差はなかったが、TBRの増加は認めず、TARは低下傾向であった。身体機能は、握力[26.0±3.3kgf→27.6±3.5kgf(p=0.002)]、相対握力[0.45±0.09kgf/kg→0.48±0.1kgf/kg(p=0.02)]、膝伸展筋力[0.52±0.12kgf/kg→0.59±0.14kgf/kg(p=0.01)]、MQ[4.7±0.97kgf/kg→5.3±0.81kgf/kg(p=0.03)]、6分間歩行距離[522±69.3m→572.4±79.6m(p<0.0001)]と全ての項目で有意に改善した。体成分分析は有意差を認めなかった。行動変容ステージについては介入前後で有意に進展した。
【結論】理学療法士による継続的な運動指導は動機づけを高め、1型糖尿病に対しても血糖管理および身体機能改善に寄与することが示された。特に低血糖の増加なく血糖管理指標が改善傾向を示した点は注目される。本研究結果は糖尿病における理学療法士による運動指導の有用性を支持するものである。
倫理的配慮:
本研究は松下記念病院の倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:18002)。
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