講演情報

[P-5-5]当院生活習慣病チームに作業療法士が参入したことで理学療法士が感じたこと

*佐野 尚美1、佐藤 楓那1、荒川 優也1、林 慎2 (1. 社会医療法人蘇西厚生会松波総合病院 リハビリテーション技術室、2. 社会医療法人蘇西厚生会松波総合病院 内科)
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キーワード:

多職種連携、作業療法士、チーム医療

【はじめに】糖尿病療養指導士の受験資格に該当しないように、作業療法士が糖尿病療養指導チームに所属しないことは全国的にも珍しくない。当院の生活習慣病チームは発足から35年余り経過しているが、当然のように構成チームの中に作業療法士が配属することなく現在に至っていた。今年度よりチームのメンバーとして作業療法士が参入する取り組みを開始したなかで、理学療法士として感じたことや今後の展望を述べたい。【取り組み内容】昨年まで理学療法士のみで構成されてきたチームに2名の作業療法士を配属し、以下のような活動を開始した。①教育入院患者の高次脳機能評価➁糖尿病教室での指導、運営、ストレッチなどの担当③実技講習会④スタッフ向け勉強会の参加や講義【今後の展望】現在においても、医師やメディカルスタッフ等から、理学療法士と作業療法士の職種の違いが理解されていないと感じることがある。取り組みを開始し間もないが、患者の高齢化や合併症、重複障害により多角的な視点が必須で、作業療法士の介入が必要とされている部分は意外に多く存在する。特に、高次脳機能障害や手指の巧緻性、精神面の評価などは理学療法士が苦手とする分野ではないだろうか?実際に、簡単な理解は良好で問題なさそうに見える患者も、手指の巧緻性や複雑な課題の理解が低下していることがあった。また、チーム医療推進協議会が挙げる、糖尿病チームに関わる作業療法士の内容を見る限り、理学療法士が行う運動指導という粗大な内容ではなく、より障害や環境に沿った細かな指導が必要だと理解できる。今後当院では、作業療法士が得意とする生活行為向上マネジメントを活用したアプローチを定着させ、患者の心理や精神面へのサポートを期待しつつ、より充実した多職種連携で更なる指導の質の向上を図っていきたい。

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