講演情報
[21-1320-1add]足病診療における理学療法士の役割と期待
大浦 紀彦
杏林大学三鷹キャンパス 形成外科学 教授
一般社団法人 Act Against Amputation 代表理事
杏林大学三鷹キャンパス 形成外科学 教授
一般社団法人 Act Against Amputation 代表理事

1990年:日本大学医学部卒業 東京大学医学部 麻酔科入局
1993年:東京大学医学部 形成外科入局
2003年:東京大学大学院 医学系研究科外科学専攻 博士課程卒業
2003年:埼玉医科大学 形成外科講師
2005年:杏林大学医学部 救急医学講師
2008年:杏林大学医学部 形成外科 講師
2011年:杏林大学医学部 形成外科 准教授
2013年:杏林大学保健学部看護学科病態学 杏林大学医学部形成外科 兼担 教授
2016年:杏林大学医学部 形成外科 教授
2023年:大阪大学情報科学研究科スマートコントラクト活用共同研究講座 招聘教授
1993年:東京大学医学部 形成外科入局
2003年:東京大学大学院 医学系研究科外科学専攻 博士課程卒業
2003年:埼玉医科大学 形成外科講師
2005年:杏林大学医学部 救急医学講師
2008年:杏林大学医学部 形成外科 講師
2011年:杏林大学医学部 形成外科 准教授
2013年:杏林大学保健学部看護学科病態学 杏林大学医学部形成外科 兼担 教授
2016年:杏林大学医学部 形成外科 教授
2023年:大阪大学情報科学研究科スマートコントラクト活用共同研究講座 招聘教授
足病診療においての治療目標は創傷治癒と歩行維持である。足病における治療抵抗性リスク因子はいくつかあるが、リハビリテーション領域に関係が深いものに、低栄養と筋力低下がある。一般的に足病患者はサルコペニアの状態にある。足病患者の栄養障害はprotein energy wasting(PEW)と総称され、重傷型は悪液質とも呼ばれ特徴的である。栄養リハビリテーションの観点からは、運動器リハを始める前に十分な栄養摂取が必須といわれ、低栄養状でのリハは禁忌であり、筋肉が運動するためのエネルギーとして消費されてしまう。創傷治癒においても十分な栄養が必要であり、異化状態では創傷治癒は停止する。したがってこれらの患者群には栄養療法を行いながら、運動器リハによって廃用障害を予防し創傷治癒を目指す必要がある。
さらに、一般的に創傷治療のためには荷重しないこと=安静が必要であるが、安静にして歩行しないと廃用障害に至る。歩行と創傷治療は相反する要素であり免荷をうまくできれば、歩行やリハも進めながら創傷治癒が得られ廃用も抑えることが可能である。
足底に感染を伴った場合、歩行させると感染が増悪するためリハを中止し安静が必要である。創傷を診る目を持つことも必要である。
このように足病患者の足を治癒させて歩行せるには、栄養療法、リハ、免荷装具、創傷治療の専門的な4つの項目について常に考慮する必要がある。
一番の問題は免荷療法を適切に行える医療者が少ないことである。義肢装具士に免荷療法を依頼している施設も多いが、実は義肢装具士も免荷療法を学んでいるわけではないため装具によって新たに創傷ができるなどトラブルも多いのが現状である。免荷療法は医師、看護師、理学療法士、装具士の誰が行ってもよい治療である。免荷療法では、免荷の工夫を行った後で、患者の立ち方、歩容を観察して免荷が適切にできているかどうかフィードバックして評価する。職種の中でこれができるのは、日ごろから歩容観察や歩行指導をしている理学療法士である。このような背景から免荷療法に興味を持って、是非、理学療法士のフィールドにしてほしい。
足病診療に携わる理学療法士には、栄養療法、リハ、免荷装具、創傷についてのエキスパートになっていただきたい。そうすれば日本の足病診療は大きく進歩するであろう。
さらに、一般的に創傷治療のためには荷重しないこと=安静が必要であるが、安静にして歩行しないと廃用障害に至る。歩行と創傷治療は相反する要素であり免荷をうまくできれば、歩行やリハも進めながら創傷治癒が得られ廃用も抑えることが可能である。
足底に感染を伴った場合、歩行させると感染が増悪するためリハを中止し安静が必要である。創傷を診る目を持つことも必要である。
このように足病患者の足を治癒させて歩行せるには、栄養療法、リハ、免荷装具、創傷治療の専門的な4つの項目について常に考慮する必要がある。
一番の問題は免荷療法を適切に行える医療者が少ないことである。義肢装具士に免荷療法を依頼している施設も多いが、実は義肢装具士も免荷療法を学んでいるわけではないため装具によって新たに創傷ができるなどトラブルも多いのが現状である。免荷療法は医師、看護師、理学療法士、装具士の誰が行ってもよい治療である。免荷療法では、免荷の工夫を行った後で、患者の立ち方、歩容を観察して免荷が適切にできているかどうかフィードバックして評価する。職種の中でこれができるのは、日ごろから歩容観察や歩行指導をしている理学療法士である。このような背景から免荷療法に興味を持って、是非、理学療法士のフィールドにしてほしい。
足病診療に携わる理学療法士には、栄養療法、リハ、免荷装具、創傷についてのエキスパートになっていただきたい。そうすれば日本の足病診療は大きく進歩するであろう。
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