講演情報
[21-1450-1add]高齢糖尿病のサルコペニア対策としての身体活動
野村 卓生 (関西医科大学リハビリテーション学部 教授
関西医科大学大学院 生涯健康科学研究科 教授
一般社団法人 日本糖尿病理学療法学会 副理事)
関西医科大学大学院 生涯健康科学研究科 教授
一般社団法人 日本糖尿病理学療法学会 副理事)

2000年:高知医科大学(現・高知大学)医学部附属病院 リハビリテーション部
2006年:大阪府立大学(現・大阪公立大学) 総合リハビリテーション学部 理学療法学専攻 助教
2009年:大阪保健医療大学 保健医療学部 理学療法学専攻 准教授
2011年:関西福祉科学大学 保健医療学部 理学療法学専攻 教授
2023年:関西医科大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 教授
2025年:関西医科大学大学院 生涯健康学研究科 教授
2006年:大阪府立大学(現・大阪公立大学) 総合リハビリテーション学部 理学療法学専攻 助教
2009年:大阪保健医療大学 保健医療学部 理学療法学専攻 准教授
2011年:関西福祉科学大学 保健医療学部 理学療法学専攻 教授
2023年:関西医科大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 教授
2025年:関西医科大学大学院 生涯健康学研究科 教授
糖尿病を有する高齢患者では,加齢に伴う筋量および筋力の低下に加え,糖代謝異常,慢性炎症,神経障害などが相互に作用し,サルコペニアの進行が促進されやすい.その結果,移動能力の低下や転倒,要介護化のリスクが高まり,健康関連QOLおよび生命予後にも重大な影響を及ぼすことが指摘されている.
運動療法,すなわち身体活動(physical activity: PA)は,骨格筋内ミトコンドリア機能やインスリン抵抗性を改善し,糖代謝を促進することで血糖コントロールに寄与する.また,有酸素運動・レジスタンス運動・バランス訓練などを組み合わせたマルチコンポーネントPAは,サルコペニア対策の中心的要素である.糖尿病をもつ高齢患者の支援においては,個別化された身体活動支援を通じて,代謝改善と筋機能維持を同時に達成することが,健康寿命延伸の観点から今後さらに求められる.
近年,低身体活動(low PA)や不活動・座位行動(sedentary behavior: SB)が,糖尿病を有する患者のサルコペニアと関連することが数多く報告されている[Yue Y, et al., 2025; Ji C-H, et al., 2024; Kim M, et al., 2023; Massimino E, et al., 2023; Zhang H, et al., 2023].さらに近年では,PAおよびSBに加えて,睡眠行動(sleep: SLP)を含めた“24時間行動(24-hour movement behaviors)”の評価と介入の重要性が注目されている.2016年にはカナダから世界初の「24時間行動ガイドライン」が発表され,PA・SB・SLPが相互に排他的でありながらも共依存的な関係にあることが強調された.また,糖尿病領域でも2022年に米国糖尿病学会および欧州糖尿病学会のコンセンサスレポートにおいて,24時間を通じた行動評価と介入の必要性が明確に示されている.
ウェアラブルセンサー技術の進化と解析手法の高度化により,近年は24時間行動を「デジタルバイオマーカー」として捉える臨床研究が国際的に拡大している.一方で,その臨床実装には,測定機器や解析コスト,データ処理・解釈の複雑性など,解決すべき課題が多く残されている
本シンポジウムでは,糖尿病領域における24時間行動評価の発展を概観し,我々の研究成果を基に,糖尿病をもつ高齢患者を対象とした24時間行動評価および介入モデルを紹介する.さらに,日常臨床での実装に向けた課題とその解決の糸口について,参加者の皆様とともに考察したい.
運動療法,すなわち身体活動(physical activity: PA)は,骨格筋内ミトコンドリア機能やインスリン抵抗性を改善し,糖代謝を促進することで血糖コントロールに寄与する.また,有酸素運動・レジスタンス運動・バランス訓練などを組み合わせたマルチコンポーネントPAは,サルコペニア対策の中心的要素である.糖尿病をもつ高齢患者の支援においては,個別化された身体活動支援を通じて,代謝改善と筋機能維持を同時に達成することが,健康寿命延伸の観点から今後さらに求められる.
近年,低身体活動(low PA)や不活動・座位行動(sedentary behavior: SB)が,糖尿病を有する患者のサルコペニアと関連することが数多く報告されている[Yue Y, et al., 2025; Ji C-H, et al., 2024; Kim M, et al., 2023; Massimino E, et al., 2023; Zhang H, et al., 2023].さらに近年では,PAおよびSBに加えて,睡眠行動(sleep: SLP)を含めた“24時間行動(24-hour movement behaviors)”の評価と介入の重要性が注目されている.2016年にはカナダから世界初の「24時間行動ガイドライン」が発表され,PA・SB・SLPが相互に排他的でありながらも共依存的な関係にあることが強調された.また,糖尿病領域でも2022年に米国糖尿病学会および欧州糖尿病学会のコンセンサスレポートにおいて,24時間を通じた行動評価と介入の必要性が明確に示されている.
ウェアラブルセンサー技術の進化と解析手法の高度化により,近年は24時間行動を「デジタルバイオマーカー」として捉える臨床研究が国際的に拡大している.一方で,その臨床実装には,測定機器や解析コスト,データ処理・解釈の複雑性など,解決すべき課題が多く残されている
本シンポジウムでは,糖尿病領域における24時間行動評価の発展を概観し,我々の研究成果を基に,糖尿病をもつ高齢患者を対象とした24時間行動評価および介入モデルを紹介する.さらに,日常臨床での実装に向けた課題とその解決の糸口について,参加者の皆様とともに考察したい.
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