講演情報

[22-1320-1add]厚生労働省で行っている糖尿病対策

寺井愛
厚生労働省 健康・生活衛生局 健康課/がん・疾病対策課 課長補佐
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京都大学医学部卒業、東京大学大学院医学系研究科修了
初期研修を経て、東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科入局
2020年:厚生労働省健康局 健康課/がん・疾病対策課 課長補佐
2023年:厚生労働省健康・生活衛生局 健康課/がん・疾病対策課 課長補佐
我が国における糖尿病の有病者数は、生活習慣の変化や高齢化を背景に増加しており、平成28年の国民健康・栄養調査においては約1000万人と推計されている。また、日本透析学会の調査によると、令和5年の糖尿病腎症による新規透析導入患者数は13,844人であり、糖尿病腎症は新規透析導入患者の原疾患として最多となっている。
 こうした中、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」のためには、その基盤となる健康の維持が極めて重要であり、糖尿病や、腎症・網膜症等の糖尿病合併症を予防するための取組を更に進めていく必要がある。
 厚生労働省では、令和6年度より国民健康づくり運動である「健康日本21(第三次)」を開始しており、その中で、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を最終的な目標として、栄養・食生活、身体活動・運動をはじめとする生活習慣の改善や、生活習慣病の発症予防・重症化予防等に関する具体的な目標を定め、健康づくりの取組を総合的に推進している。糖尿病領域においても、「糖尿病有病者の増加の抑制」や「糖尿病合併症(糖尿病腎症)の減少」など、糖尿病に関する7つの目標を設定して糖尿病対策の取組を進めている。糖尿病の発症予防に関しては、栄養・食生活、身体活動・運動等の生活習慣の改善や、健診受診等の取組を推進しており、「スマート・ライフ・プロジェクト」等を通じて普及啓発活動等を行っている。
 令和6年度からは「第8次医療計画」も開始しており、各都道府県が作成する医療計画を介して、糖尿病の医療提供体制の整備を進めており、発症予防、重症化予防、合併症の治療の各ステージに応じた糖尿病対策を推進していく。
 本講演では、こうした厚生労働省における糖尿病対策の概要についてお示ししたい。

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