講演情報
[P-9-3]糖尿病の有無による皮膚終末糖化産物蓄積量と筋機能および筋質との関連
*丸尾 明史1,2、田中 雅侑3、木曽 貴紀4、重田 真衣5、河内 夏希5、森山 由希乃5、金指 美帆2,5
1. 医療法人仁聖会 小畑醫院
2. 県立広島大学 保健福祉学専攻 運動行動障害学領域
3. 岡山医療専門職大学 健康科学部 理学療法学科
4. はしもとじんクリニック
5. 県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 理学療法学コース
1. 医療法人仁聖会 小畑醫院
2. 県立広島大学 保健福祉学専攻 運動行動障害学領域
3. 岡山医療専門職大学 健康科学部 理学療法学科
4. はしもとじんクリニック
5. 県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 理学療法学コース
キーワード:
終末糖化産物、筋質、糖尿病
【はじめに】終末糖化産物(AGEs)は、糖尿病合併症や加齢関連疾患に関与するが、骨格筋の質(筋質)との関連は十分に検証されていない。近年、生体電気インピーダンス分析(BIA)で測定される位相角や細胞外水分比(ECW/TBW)は筋質を反映する指標として注目されている。筋質低下は筋量や筋力の低下に関与することが報告されており、その早期把握は筋障害予防に重要である。本研究は、外来女性患者を対象に、皮膚自家蛍光法で測定したAGEs蓄積量と筋量・筋機能・筋質指標の関連を糖尿病(DM)の有無別に検討することを目的とした。
【方法】対象は地域医療機関に外来通院中の女性33名(DM群14名、非DM群19名)とした。測定項目は、皮膚AGEs蓄積量、BIA(InBody S-10)による体組成・位相角・ECW/TBW、握力、椅子5回立ち上がり時間とした。Shapiro–Wilk検定で正規性を確認し、PearsonまたはSpearmanの相関係数でAGEs蓄積量と各測定項目の関連を群別に解析した。さらに、年齢を共変量として重回帰分析を行い、AGEsと各指標との関連を検討した。統計解析にはSPSS ver.29を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】DM群は非DM群に比べてAGEs蓄積量(p<0.01)が有意に高値を示した。非DM群では、AGEs蓄積量はECW/TBW(r=0.65, p<0.01)と正の相関を示し、握力(r=-0.46, p<0.05)および位相角(r=-0.56, p<0.05)と負の相関を示した。DM群では、AGEs蓄積量は握力(r=-0.58, p<0.05)とのみ負の相関を示した。重回帰分析の結果、非DM群ではAGEs蓄積量はECW/TBW(β=0.51, p<0.01)および位相角(β=-0.52, p<0.05)と、DM群では握力(β=-0.54, p<0.05)とそれぞれ有意に関連し、これらはいずれも年齢を共変量として調整した後も独立した関連を示した。
【結論】AGEs蓄積量は、非糖尿病患者では年齢と独立して筋質低下(位相角低下・ECW/TBW上昇)指標との関連を認め、糖尿病患者では握力低下との関連を認めた。AGEs測定は、非糖尿病患者における筋質・筋機能低下の早期把握や、糖尿病患者における筋機能評価の補助指標として有用となる可能性がある。
倫理的配慮:
本研究は県立広島大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(第23MH035号)。研究への参加について、本人の書面による同意を得た。
【方法】対象は地域医療機関に外来通院中の女性33名(DM群14名、非DM群19名)とした。測定項目は、皮膚AGEs蓄積量、BIA(InBody S-10)による体組成・位相角・ECW/TBW、握力、椅子5回立ち上がり時間とした。Shapiro–Wilk検定で正規性を確認し、PearsonまたはSpearmanの相関係数でAGEs蓄積量と各測定項目の関連を群別に解析した。さらに、年齢を共変量として重回帰分析を行い、AGEsと各指標との関連を検討した。統計解析にはSPSS ver.29を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】DM群は非DM群に比べてAGEs蓄積量(p<0.01)が有意に高値を示した。非DM群では、AGEs蓄積量はECW/TBW(r=0.65, p<0.01)と正の相関を示し、握力(r=-0.46, p<0.05)および位相角(r=-0.56, p<0.05)と負の相関を示した。DM群では、AGEs蓄積量は握力(r=-0.58, p<0.05)とのみ負の相関を示した。重回帰分析の結果、非DM群ではAGEs蓄積量はECW/TBW(β=0.51, p<0.01)および位相角(β=-0.52, p<0.05)と、DM群では握力(β=-0.54, p<0.05)とそれぞれ有意に関連し、これらはいずれも年齢を共変量として調整した後も独立した関連を示した。
【結論】AGEs蓄積量は、非糖尿病患者では年齢と独立して筋質低下(位相角低下・ECW/TBW上昇)指標との関連を認め、糖尿病患者では握力低下との関連を認めた。AGEs測定は、非糖尿病患者における筋質・筋機能低下の早期把握や、糖尿病患者における筋機能評価の補助指標として有用となる可能性がある。
倫理的配慮:
本研究は県立広島大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(第23MH035号)。研究への参加について、本人の書面による同意を得た。
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