講演情報
[P-11-5]定量的打腱器デバイスを用いたアキレス腱反射についての研究:地域在住者を対象とした予備的調査
*鈴木 康裕1、清水 紘輔2、門根 直樹3、羽田 康司3、鈴木 健嗣4 (1. 筑波大学システム情報系知能機能工学域、2. 筑波大学総合理工学位プログラム、3. 筑波大学医学医療系、4. 筑波大学サイバニクス研究センター)
キーワード:
3Dプリンタ、3次元動作解析、工学
【はじめに、目的】腱反射検査の手法について、検者は打腱器を用いて腱を叩打するが検者の熟練度に依存するため検者間差が生じやすい。また手動操作では強度を正確に制御することが難しく、基礎的データの蓄積も不十分である。既報において、叩打刺激や反射トルクを計測可能なセンサ・デバイスが報告されているが、定量的に叩打刺激を与えられるデバイスは存在しない。そこで我々は、定量的打腱器デバイスの試作機を開発した。本研究の目的は、地域在住者を対象に、従来手法(手動)と本デバイスを用いたアキレス腱反射検査(以下DTR)を実施し、その反応に基づく反射速度(以下RR)と検者による臨床判定によって双方を比較し、本デバイスの有用性を検証することである。加えて、両手法によるDTR反応に対する対象者の自覚的疼痛を評価し併せて検討を行った。
【方法、あるいは症例】本デバイスは、主要構成部品を3Dプリンタにより製作した。機構としては、プッシュボタンによりスプリング(圧縮トリガー)を一定量まで圧縮し、設定圧縮量に達すると蓄積されたエネルギーが瞬時に解放され、打腱ハンマーが一定の力で発出される仕組みである。この機構により、再現性の高い叩打刺激を安定して与えることが可能となった。本研究の評価はすべてDTR反応に基づいて行われた。主要評価項目はRR、副次評価項目はBritish scale(以下BS)および自覚的疼痛(VAS)とした。DTRは通常の打腱器および本デバイスの2種類を用いて実施した。RRは3次元動作解析装置により足関節底屈動作の平均角速度として算出した。BSは検者による5段階評価(0-4点)、自覚的疼痛は対象者によるVAS(0–10段階)にて自己評価してもらった。
【結果】対象者70名(女性40名:57%)の平均年齢は51±17歳。各評価(手動/本デバイス)において、RRは111±35/52±32 (degree/sec)(p<0.01)、BSは1.9±0.3/1.5±0.6(p<0.01)、疼痛は2.8±1.9/3.4±1.9(p<0.10)であった。
【結論】本デバイスによるDTRの反応は、手動に比べRRが有意に低く、疼痛はやや高値を示す傾向が認められた。これらの結果から、本デバイスによる深部刺激が十分でない一方、表在刺激が相対的に強く作用していることが示唆された。
倫理的配慮:
本研究については、筑波大学システム情報系倫理委員会の承認を得た(承認番号2024R968)。
【方法、あるいは症例】本デバイスは、主要構成部品を3Dプリンタにより製作した。機構としては、プッシュボタンによりスプリング(圧縮トリガー)を一定量まで圧縮し、設定圧縮量に達すると蓄積されたエネルギーが瞬時に解放され、打腱ハンマーが一定の力で発出される仕組みである。この機構により、再現性の高い叩打刺激を安定して与えることが可能となった。本研究の評価はすべてDTR反応に基づいて行われた。主要評価項目はRR、副次評価項目はBritish scale(以下BS)および自覚的疼痛(VAS)とした。DTRは通常の打腱器および本デバイスの2種類を用いて実施した。RRは3次元動作解析装置により足関節底屈動作の平均角速度として算出した。BSは検者による5段階評価(0-4点)、自覚的疼痛は対象者によるVAS(0–10段階)にて自己評価してもらった。
【結果】対象者70名(女性40名:57%)の平均年齢は51±17歳。各評価(手動/本デバイス)において、RRは111±35/52±32 (degree/sec)(p<0.01)、BSは1.9±0.3/1.5±0.6(p<0.01)、疼痛は2.8±1.9/3.4±1.9(p<0.10)であった。
【結論】本デバイスによるDTRの反応は、手動に比べRRが有意に低く、疼痛はやや高値を示す傾向が認められた。これらの結果から、本デバイスによる深部刺激が十分でない一方、表在刺激が相対的に強く作用していることが示唆された。
倫理的配慮:
本研究については、筑波大学システム情報系倫理委員会の承認を得た(承認番号2024R968)。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
