講演情報

[B-10-01]「誰もがデザインする」歴史のボトムアップ型設計プロセスの検証大正期・農民美術の図案解析と「構成」の教育プロトコル

*石川 義宗1 (1. 長野大学 企業情報学部)
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キーワード:

Peasant Art Movement、History of Design by the People、Educational Protocol

従来のデザイン史は特権的な専門家を中心に記述され、民衆は受動的な対象として断片化されてきた。しかし近年、コミュニティが協働して課題を解決する「誰もがデザインする」というパラダイムが重要性を増している。本研究はこの視座に基づき、大正期の農民美術運動を非専門家によるボトムアップ型設計プロセスの先駆的事例として再定義する。
研究手法として、290点の図案に対するマルチモーダルAIを用いた定量的解析と、『図案教習日記抄』などの歴史的テキストの定性的分析を統合した。その結果、農民がデザイン論理を体得する過程には、(1)自然観察による「モチーフ採取」、(2)数的審美力に基づく「意匠・構成」、(3)立体構造へ翻訳する「実材適用・実施設計」という3段階の教育プロトコルが存在したことが明らかになった。
本研究は、農民が単なる模倣から脱却し、自発的にデザインを生み出す能動的な主体へと飛躍したプロセスを実証したものである。この成果は、専門家中心の歴史観を解体し、人々の主体性(エージェンシー)に根ざした新たなデザイン史の構築に寄与する。

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