講演情報
[C-03-03]現代的な期待を踏まえたデザイン行為の再考
*蘆澤 雄亮1 (1. 芝浦工業大学)
キーワード:
Design Theory、Experience Design、Meaning Design
本稿は、現代的な期待を踏まえてデザイン行為を再考することを目的とする。従来、デザインは、問題解決あるいは課題発見を通じて要件を定義し、それを人工物設計へと接続する営みとして理解されてきた。しかし、体験価値を主眼とする実践においては、この枠組みのみでは十分ではない。たとえば温泉旅館「平野屋」との協働では、不具合の解消や不足の補完ではなく、利用者にとって「よかった」と感じられる体験をいかに構成するかが重視されている。そこでは、人工物の仕様そのものよりも、利用者が何を認識し、いかなる意味を見出し、どのように動機を形成し、どのような行動へ至るかというプロセスが設計対象となる。本稿では、この点を踏まえ、既存のデザイン観の限界は、定義(Define)を要件(Requirement)として捉えてしまう点にあると論じる。そのうえで、定義とは、目標(Goal)を状態(Scene)として記述し、その状態へ利用者が自然と至るプロセスを構想する局面であると捉え直し、体験価値志向のデザイン実践を記述するための視座を提示した。
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