講演情報
[PA-34]能動的映像鑑賞を促す映像表現の研究
*牧野 佳歩1、山下 万吉2 (1. 岡山県立大学デザイン学研究科、2. 岡山県立大学デザイン学部)
キーワード:
能動的視聴、映像鑑賞、没入感
本研究は、スマートフォンやPCモニターによる受動的な映像鑑賞が主流の現代において、鑑賞者が自ら作品に関与することで鑑賞が成立する「能動的な鑑賞」を促す映像表現の特徴を明らかにすることを目的とする。まず、能動的映像鑑賞の条件として、鑑賞者の身体的関与、作品との相互性、鑑賞者への心理的影響の三点を設定し、視覚玩具やビデオインスタレーションなど、主にアナログ的映像表現の先行事例を調査した。その結果、能動的な鑑賞を促す映像表現は、身体動作を伴う鑑賞行為と、情報を部分的に隠して鑑賞者の想像力による補完を促す仕掛けの組み合わせに特徴があると考えた。これらを踏まえ、箱型装置とスマートフォンを用いた作品群『Night light』を制作した。本作品は、鑑賞者が映像を再生したスマートフォンを箱型の装置に置き、箱の内部を覗き込むという鑑賞行為を求める。こうした身体動作が、映像を単なる情報から現実空間に存在する出来事へと変容させ、没入感やノスタルジーといった心理的変化をもたらすのではないかと考えた。また、装置の物理的構造と身体的関与の必然性が、鑑賞の質を高める重要な要素であると推察する。
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