講演情報

[PA-50]ヘルスケアサービスの体験設計における、利用者理解の重要性:心理・社会的コンテクストがもたらす効果差の検証

*和田 あずみ1、新井 珠美1 (1. 小野薬品工業株式会社)
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キーワード:

Healthcare、Service Design Process

近年のヘルスケアサービス設計では、生活者の実態を捉え、健康以上の生活価値を提供することが求められている。本稿は、子育て支援アプリにおいて一部の母親で逆方向の心理変化が生じた背景を、利用者の心理・社会的コンテクストから明らかにすることを目的とした。母親39名(発達障害児の母、ワーキングマザー)を対象に、量的分析として心理尺度の前後比較(二要因分散分析)を行い、質的分析として半構造化インタビューにもとづく価値マップ作成およびCAVE法による説明スタイル分析を実施した。
量的分析の結果、発達障害児の母のうち、自己効力感の問題解決因子・努力持続因子の高群に低下がみられた。質的分析では、この低下がみられた群において「親子の対話成立の困難さ」「支援を受けても情緒的負荷が高い状況」といった社会的コンテクストに加え、「悪い出来事を自責的に捉える説明スタイル」という心理的コンテクストが特徴的に認められた。この層では記録機能の利用が葛藤を強め、子育てへの切迫感につながっていた。一方、ワーキングマザーでは同様の低下はみられなかった。
人間の心身に影響を及ぼすヘルスケアサービスだからこそ、利用者の多様なコンテクストを丁寧に把握し、差異を前提とした設計・評価姿勢が不可欠である。

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